テースティング・レポート
2013/1/20
ボンド、セント・エデン 2003
Bond, St. Eden 2003
【産地】アメリカ、カリフォルニア州
【生産者】 ボンド
【品種】 カベルネ・ソーヴィニョン主体
興奮させられるグレート・ワイン
久しぶりのカルトワイン。おととしにNYで買ったボンド4本セットの 最後の一本セント・エデン。驚くべき価格で買ったのでした。あ、わたしが買ったわけで はありません。お金持ちの連れに買わせたワインです。ヴィンテージは2003年でしたが、 蔵出し価格とほとんど同じ価 格だったので、すぐに「これは買った方が良いですよ。日本だと倍でも買えません」と。 内心ニセモノだと嫌だなあと思っていましたが、そうではありませんでした。
ボンドというワインは、ハーラン・エステートの兄弟ワインです。オーナーもビル・ハーラ ン、ワインメーカーもボブ・レヴィ。違うのは値段とブドウ畑です。毎年わたしのところに もオファーは来るのですが、買ったことがありません。わたしのコメントは次の通りで す。
以下、私のテースティングコメントです。
『リッチ&ゴージャスバランス。中身がびっしり詰まりながらも、極めてしなやかで弾力 のある筋肉。口の中ではまさにビロードのテクスチャが感じられて舌が溶けるような感 じさえある。ボリューム感のある香りは、カカオ、ローストナッツ、熟成黒果実、熟成プラ ム、ダストにかすかなドライフラワーがあり、口の中でも全く変わらない。酸はこのビロ ードのテクスチャをもたらす豊潤でありながらも繊細なタンニンをかすかに縁取りをす るような輪郭を提供している。これでも十二分だが、極めて充実した長い余韻さえ持っ ている。非の打ちどころがない要素が非の打ちどころがないほどのバランスを見せて いる。赤ワインでは初めての100点。 』
という感じで、自分自身でもここまで賞賛できるカベルネは過去にない。と思えるワイン
だったのです。実は一緒に飲んだワインは、ジョセフ・フェルプスのインシグニアでした。
インシグニアも十分に高額のワインですが、最高潮に仕上がったこのボンドの足元に
すら及びませんでした。