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テースティング・レポート

2009/10/26

マーカッシン・ピノ・ノワール 1999

 

【産地】 アメリカ、カリフォルニア州、ソノマ、マーカッシン畑
【生産者】 マーカッシン

美女が野獣・・・

皆様、ご存知のヘレン・ターリー女史が造るワインです。彼女がエレガントなピノ・ノワールを造っているとは、ちょっと違和感を感じていましたが、このワインを飲んだらわかりました。

最初はびっくりするぐらいにエレガントで繊細なワインと思ったわけでしたが、これ もびっくりするぐらいに早い時間で変わっていきました。これは単に短時間のテイ スティングするだけではわからない変化でした。

かなり古いワインでは、短時間のうちにアップダウンがあることはありますが、19 99年ヴィンテージのこのワインで、このような事があることは予想もしませんでし た。冒頭に述べました「エレガントなワイン」は、少なくとも2日ぐらいは持つものだ と思いましたが、なんと20分で変わってきました。そして1時間経つと大変な豹変 を始め、2時間後には野獣と化しました。

血とか肉、あるいは第二酸化鉄、湿った土の風味にかわり、風味豊かだったラズ ベリーとドライマンゴとキンモクセイが融合したエレガントなフルーティさは全く無く なっていました。まさに美女と野獣ならぬ、美女が野獣に変化した感じでした。

ブルゴーニュは「男性」であり、ボルドーは「女性」と言われます。これは歴史 的な経緯であり、味わいのことではない、とする意見がありますが、こういったワ インを飲むと、それは味わいのことを言っているかもしれない、と思わせます。ピ ノというのは実はそのような性格を本来持っているのです。一見エレガントですが、 熟成し金属ミネラルがうま味に変わるころにはボディが太く変わってきます。 古いワインの事をイメージしていただかねばならないですが)。それを考えると、 この試飲したワインは、若いワインから長期に熟成させたピノの時間を一気にワ ープして見せたということなのです。

参考市販価格

50,000円

品質

★★★★★

バリュー

★☆☆☆☆