テースティング・レポート
第三回デカンター・アジア・ワイン・アウォード
2014年9月、今年も第3回のデカンター・アジア・ワイン・アウォードの審査員として参加してきました。
今年もデカンター・アジア・アウォードの審査に行ってきました。 日本人は田崎さん、佐藤陽一さん、石田博さん、児島速人さんと ソムリエ界の重鎮がそろっていらっしゃいました。そこにわたし がなぜいるのか?英語が喋れるだけか?????多分そうだと 思います。
今年はわたしの専門分野はチリ・アルゼンチン、ローヌと限定し てチェックしたにもかかわらず、「アルザス、ロワール、ブルゴ ーニュ、NZ」というところのパネルに入っていました。しかし、 実際に審査したのは、アルザス、ローヌ、NZです。基本はNZが メインでした。どうでもいいのでしょうね、欧州人は。おおらかで すというか、いい加減です。リストは持って帰れないのですが、 多分一日で80〜90種類の試飲をしたと思います。
この審査会、ジャッジの数が毎年減ってきている感じです。初年 度はパネルには4人のジャッジでしたが、パネルの数自体も減っ ているし、各パネルに3人のジャッジですので、ジャッジの数は 初年度から20人は減っていると思われます。あ、日数も3.5日か ら3日になりました。
しかし、ワインの全体の数は増えて、今年は2500本のワインがエントリー したとのことです。
必ずスティーブン・スパリエと一緒に試飲する機会がありますが、 彼の試飲はかなりおおらかです。彼は大抵シルバーポイントを与 えます・・・これは100点法でいうと90点以上なのですが、大抵 そうです。これは理由があると思いますね。経験が多くなると、 様々な種類のワインを飲むことになります。そうすると幅が広く なります。
他方、経験の幅が狭い人、例えばカリフォルニアが好きでそれし か飲まない人とか、ブルゴーニュが好きでそれしか飲まない人、 トスカナが好きでそれしか飲まない人、スパークリングといえば シャンパーニュしか飲まない人、例えばですが、その人たちがそ れ以外のワインを飲んだとすると、かなりバイアスのかかった評 価になるのは当然の事なのですね。だから「専門性」というのが あるのですが・・・。
スティーヴンは、カリフォルニアワインを「人々にパリテイスティングで発掘させた」という人ですので、 とてつもなく広い経験の持ち主です。多少酸化していても、還元 状態にあっても平気です。平気というのはワインの評価に影響し ない、させないという事です。
残念だったのは、パネルの人々は、あまりヌフパプ、およびグル ナッシュをよく理解できていなかったという事です。
さて、2013年10月22日に、結果が発表されました。
エントリーは約2,500。本家デカンターの15,000に比べるとまだまだ少ないですが、昨年よりは少し増えました。
今年は、もったいぶらずに、インターナショナル・トロフィーの結果も同時に発表されています。
アドレスは、
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です。
昨年は日本の甲州がはじめて金賞を取った事が話題になっていましたが、今年はインドのソーヴィニョン・ブラン。暑い国というイメージですが、山の方に行くと寒暖の差がある土地があるのでしょう。コンサルタントにミシェル・ロランを入れているということ。
インドネシアの甘口ワインもインターナショナル・トロフィーをとりましたが、こちらもワインメーカーはオーストラリア人。新興国では、ほとんどが外人ワインメーカーです。そういう意味では世界と勝負する時に、日本人にこだわる日本は器が小さいんじゃないの?などと考えてしまいます。