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テースティング・レポート

2012/5/14

シャトー・ド・ボーカステル、シャトーヌフ・デュ・パプ 1989
Chateau de Beaucastel, Chateauneuf du Pape 1989

【産地】フランス、ローヌ地方、シャトーヌフ・デュ・パプ
【生産者】　シャトー・ド・ボーカステル
【品種】　ローヌ品種ブレンド

このワインが、すべての始まりだった・・・

ワイン・スペクテーター誌の年間トップ100で、1991年度に第一位を獲得したのが、このワインだった。

今でこそ、日本でもこの上位になると急にワインが売れ出すという現象が起こるが、当時は、まだそれほどスペクテーター誌というものが浸透しておらず、1993年にアメリカから帰国後、当時の輸入元だったジャーディン・ワインから1ケースを購入した。これは最後の２本のうちの１本。見てのとおり、ラベルはぼろぼろになった。

私がワインにはまっていく、まさにきっかけとなったのがこのワインだ。シャトーヌフ・デュ・パプにはまっていた私は、1991年にアメリカに滞在中、近くのスーパーでこのワインをみつけたが、確か、11ドルだった。学生だったので、どうしようかと迷っていたら、ワイン・スペクテーター誌でヌフ・パプ特集が行われ、このワインも97点がついていた。次の日に、そのスーパーでは13ドルに値上げされていたのを覚えている。当時のワイン・スペクテーター誌は、まだタブロイド版だったが、メディアの威力を思い知らされた出来事だった。あれから20年・・・。私は年をしっかりととったが、ワインはまだまだ若かった。以下、私のテースティングコメントです。

『グレートバランス。1989年物を21年後に試飲。某ワイン誌の年間ベストワインであった。香りとフレーバーは中強で黒果実、クローブ、ジンジャー、黒コショウ、鉄、インク、ベルガモット、煮キャベツ。酸は中程度だが輪郭はない。タンニンは細やかで、果実成分にうまく溶け込んでいる。リッチで余韻も長い。穏やかに熟成をしつつあるが、まだまだ熟成できる。94点』

今回、このコメントをあげるにあたって、改めてググってみたら、あるショップでは、他のヴィンテージは1万円程度なのに、このワインは4万で売られていた・・・。ちなみに購入価格は8,000円程度。