テースティング・レポート
2012/4/3
ポール・ロジェ・ブリュット・レゼルヴ
Pol Roger, Brut Reserve
【産地】フランス、シャンパーニュ
【生産者】 ポール・ロジェ
【品種】 シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ
英国とゆかりの深いシャンパンメゾン
ポール・ロジェは、シャンパーニュのエペルネに1849年に設立された比較的小さな家族経営のメゾン。イギリスの名宰相として知られるサー・ウィンストン・チャーチルがこよなく愛したことでも知られており、キュベ・サー・ウィンストン・チャーチル というキュベも造られている。
1944年にチャーチルはポール・ロジェをパリで飲んで感嘆し、シャンパンを守りたいというモチベ ーションが高まったともいわれる。
歴史の教科書には出てこないが、シャンパーニュがレジスタンスの舞台になったのは真実、そして シャンパーニュの数100qに及ぶ長ーいセラーが、独仏が攻防する地上戦の基地となり、拠点とな ったことも事実。イギリス軍はノルマンディーから上陸してシャンパーニュに向かったのも事実、 イギリス軍がドイツ軍を食い止めるのに一役も二役もかったのも事実・・・シャンパーニュで、当 時1,2位を競う大きな敷地を持っていたポール・ロジェが、イギリス人の参戦から特段の恩恵を 受けたというのは間違いない。
チャーチルのポール・ロジェびいきは、他の有名人とは違い、戦後も個人的にも深くロジェ・ファ ミリーと親交を続け、事あるごとにシャンパンの代名詞として言及している。通常なら「シャンパ ン」というであろうところ、「ポール・ロジェ」と言っているし、実際にほとんどポール・ロジェ を飲んでいたらしい。彼のお気に入りは当時最高だったヴィンテージ・ブリュット。サー・ウィス トン・チャーチルは、彼の死後、10年たったのを機に、ポール・ロジェ家がオマージュとして造り 始めたもので、特別にいい年にしか造られないため、かなり高額だが、それでも定価は2万円以下 とこのクラスとしては安いほう。だが、シャンパーニュメゾンの実力を決めるのは、やはりスタンダード・ クラスのブリュット、ということで、今回、試飲したのはコレ。
2010年に行われたウィリアムズ王子の結婚式でも供された。
以下、私の試飲コメントです。
『ゴージャスバランス。ボリューム感あるすりおろしリンゴ、ナッツ、鉄、うまみの香りとフレー バー。泡は中程度だが非常にクリーミーな泡だ。酸味は普通に強く濃縮したうまみがある。リッチ で余韻も長い。91点』
参考市販価格 |
6,000円程度 |
品質 |
★★★★★ |
バリュー |
★★★★☆ |