Topics&Columns(2004年3月22日)

シャルドネ・デュ・モンドの結果報告

3月11日から14日まで行われた2004年第11回シャルドネ・デュ・モンドの結果が発表になりました。35カ国からあつまった全1226ワインのうち、優秀賞:1、ゴールド賞:68、シルバー賞:209、ブロンズ賞:91ということです。審査員の60%は非フランス人で構成されました。

日本からはいくつ登場したかわかりませんが、シルバーにメルシャンの北信シャルドネ2002、ブロンズにはマンズのソラリス信州小諸シャルドネ2002が入りました。

新大陸ワインでは、南アが最も健闘しているようです。面白いところではゴンザレスビアスのシャルドネがゴールドでした。中国もちゃんと出してます。受賞はベイジン・ドラゴンのブロンズ一つでしたが。それから本日のトピックスの中でご紹介しているヴィンコー・インターナショナルグループの、イニスキリン(カナダ)、ジャクソン・トリッグス(カナダ)、そしてゴーンドレイ(豪州)はゴールドを受賞してます。単に流通とか効率だけではなく、品質の良さもしっかり持った上での拡大路線と維持しているというのがわかります。

いずれにしてもまだまだ、掘り出し物、バリューワインがあると思います。結果はこちらです。http://www.chardonnay-du-monde.com/Fr/Result/Resultats.en.htmlそして、日本の生産者の皆さんも、様々な他流試合に登場して勝ちましょう。2005年は3月9日からのようです。(H)

リキュールのリコール

カナダのLCBO(Liquore Control Board of Ontario)は、ポルトガル産のフルーツリキュールをリコールします。高濃度の鉛が含まれている疑いがあるという理由によります。

問題のスピリッツは750mlボトル入りのAguardente Bagaceira Paraisoというオードヴィー・ド・マールです。69のショップで販売されていたものです。955本のボトルが出回っていました。

通常の検査で、政府が決める鉛が検出されたとのことですが、飲んだとしてもLCBOは直ぐに人体に悪影響はないとしています。飲みかけでも返金されるとのことです。

オンタリオ州では酒類販売は州政府がコントロールしています。日本には入ってきてますか?ご注意のほど。(H)

また、ワイナリーのM&A

小さなワイナリーが、経営権とブランドはキープしたまま大資本傘下に入ることが多いオーストラリアでは、珍しいことではありません。また一つという感じではあります。西オーストラリアです。

【まとめ】

ヴィンコー・インターナショナルは、西オーストラリアのワイナリーのアンバーレイ・エステート(Amberley Estate)を傘下にしました。買収価格は24.8百万豪州ドルと伝えられます。

アンバーレイは1985年にマーガレット・リバー地区に設立されたワイナリーで、年間10万ケースを生産する、西オーストラリア第4番目の生産者。85%はマーガレット・リバー産で販売され、白ワイン特にシェナン・ブランに特化しつつ、一部カベルネ・ソーヴィニョンも生産してきました。

すでに傘下にあるゴーンドレイ(Goundrey)と統合することにより、ヴィンコーは西オーストラリア最大の生産者となります。「コスト削減と同時に大きな成長を可能にする」とCEOのドナルド・トリッグス氏は語っています。

「カナダ、アメリカ、そしてオーストラリアでの基本事業に、補完事業を追加するというこれまでの成功モデルを実践したものですが、オーストラリアの国内の流通ルートの中でアンバーレイブランドを成長させることで、株主に価値を生み出すことになるでしょう」とのこと。

【まとめ終わり】

3月20日に、いくつかのソースで報じられたものです。ヴィンコーはカナダの会社ですが、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドに拠点を持っています。そのブランドは、イニスキリン、ジャクソン・トリッグス、R.H.フィリップス、トーステッド・ヘッド、ホッグ、ゴーンドレイ、サマック・リッジ、ホーソーン・マウンテン、キム・クロフォード、アインシェント・コースト、ソーミル・クリークなどがあります。この中で、ホッグとRHフィリップス、さらにトーステッド・ヘッドは、つい先ごろスクリューキャップに全面的に移行すると発表したばかりでした。

別にも、イタリアのサッソ・ディ・カンポが、NZのワイナリーを買収したというニュースがありました。買収する方は、新たなブランドを入手し、買収される方は流通ルートを手に入れるというものです。サッソ・ディ・カンポはあのアンティノリが所有です。(H)

飲みすぎは乳ガンのもと!

飲みすぎはいけないという話は昔からありますが。3月17日に14WFIEニュースが伝えていたものからです。

【要約】

閉経後の女性が、アルコール特にワインを飲みすぎると乳ガンの危険性が高まる可能性があることを、スウェーデンの科学者が報告した。17日付けのInternational Journal of Cancerに掲載された。

調査報告によれば、一日におよそ1.5杯以上のワインを飲む女性は、それ以下しか飲まないか、全く飲まない女性に比べると、乳がんにかかる確率が2倍になるという。適度に飲む女性は逆に12%下がるという。

11726名のサンプルと7.6年という期間、そして342名のガン患者からの調査結果である。以前より、乳がんとアルコール摂取量との間には関連があるとしつつも、これまではっきりできなかったという。

今回の報告では、ワインを飲む女性の方が、アルコール全般を飲む女性よりも、飲む量に関して正確に把握できたため、その結果としてワインの飲酒量についてはっきりと報告することになったが、全体のアルコール摂取量に関して、あるいはアルコールの種類によってどう違うかに関しては、はっきりは出来なかった。

米国栄養協会のシンディ・ムーア氏によれば、「ガンのリスクを減らすのであれば、女性は一日一杯にとどめておくほうが良いでしょう」とのことだ。

【要約終わり】

このニュースはむしろファット=脂肪分についての注意の方が重要だったかもしれませんが、ワインに関するところのみ書き出しました。しかし「一杯」というのは正確にいうと何ミリリットルぐらいなのでしょう。国によって量が違います。アメリカの話であれば、4〜5杯取りのうちの一杯ですので念のため。飲みすぎには注意しましょう。(H)

フランスに「美食と上質な生活の学会」

直訳すると馬鹿みたいな名前になります。フランスでInstitute of Gastronomy and Fine Livingという機関の構想が練られています。

【要約】

4週間のプログラムでランスに設置し、70〜100名の学生を世界中から集めガストロノミーについて学ばせようというものです。2004年11月からスタートします。費用は4000ユーロとなっています。

このインスティチュートの会長にレミ・クリュッグ氏、そしてレ・クライエールの元シェフを名誉会長という組織で発足します。講師陣は、ミッシェル・ブラ、アラン・デュカス、ピエール・ガニヤールそしてアントアン・ウェステルマンの各氏が含まれます。

「多角的訓練プログラムによって、五感にうったえる内容です。」というのは、このプログラムのアイデアを打ち立てた中小企業庁相のルノー・デュトレル氏です。「味わいについての人間学と神経生理学、そしてフードにおける生理学、そして分子ガストロノミー、原産地の影響、厨房・テーブル・アート、ブドウ栽培とワインメーキングそしてフードパッケージングと保存など、科学的な見地からも取り組みます。」

インスティチュートに入学するためには、大学卒業か、もしくはガストロノミーかフード業界で少なくとも7年以上の経験があることが望ましいとされます。モチベーションと英語とフランス語の試験を受けねばなりません。

「さまざまな文化的背景を持つさまざまな国々から、モチベーションの高い一級の人々に集まってもらいたいですね。ガストロノミー、フード、ワイン。テーブルアートなどそれぞれのエリアでは優秀な教育機関もプログラムもありましたが、グローバルな世界を一つにまとめ上げるものはありませんでした。文化、化学、人間性、経済、法律、そして実践のそれぞれを一つの大きな体系にするというものはね」とクリュッグ氏。

【要約終わり】

皆さん試してみてください。アカデミックな感じがします。個人的に非常に興味があります。でもフランス語ができないとダメですかね。あ、これはスペクテータからでした。(H)

フランス産シラーズはいかが?〜新世界ワインに挑戦するフランスワイン

【要約】

新世界ワインの人気に対抗するため、ついにフランスは最も高貴なブドウ品種にオーストラリアと同じつづりを使う事を許可しました。

フランス農務省は「シラーという名を、より広くしたれたオーストラリアでの呼び名であるシラーズという名に置き換えることで、イギリスやその他の非フランス語圏の市場にもっとアクセスが容易になるのではないかと期待しています。」と述べています。

フランス方式の畑名をラベルに表示するというやり方は、消費者を近づけるよりむしろ遠ざけるものであり、ブドウ品種や著名な生産者の名に置き換えてもよいという考え方があるが、これをフランス自らが許可するということであらゆる場所で同様の動きがおこるでしょう。

新世界の生産者達は、一般消費者にわかってもらうには、ラベルに、どんな味わいかがわかるような名をつけるべきとして、シャルドネ、カベルネ、メルロー、ガメイなどの品種名をつけるようにしたのです。

フランスでは例えば、ワインにボージョレーと書いてあれば、ガメイというブドウ品種が使ってあるということは、自明であるということが前提とされてきたので、ラベルに品種が表示されることはありませんでした。

ハーパーのニール・バケット氏は、「フランスの呼称制度は、ブランスワインが絶対的な優位性と市場を優位していた時代の遺産であり、同国のワインがシェアを失ったいまとなっては、新世界ワインと同じ土俵で戦わなければならないでしょう。」

「フランスでも多くの人がその必要性を認めているのは事実ですが、多くの議論をよんでいるのも事実です。というのはブルゴーニュの生産者達に言わせれば、彼らは『ただの単なる』ピノ・ノワール、シャルドネ(品種名で表現されるだけのワイン)を生産しているわけではないのですから。」と述べています。

シラーは、北部ローヌでエルミタージュやコート・ロティといった、筋肉質で、辛口のタニックな非常に長期熟成型のワインを生み出すブドウ品種です。南部ローヌやラングドックでは、ブレンドに使われます。

オーストラリアでは、シラーズが最も広く栽培されている品種です。バロッサ・バレー、ハンター・バレーで成功を収めています。ジャンシス・ロビンソン女史によれば「シラーズは、茶色で、焼け焦げて、薄い日常ワインから、ポートのような濃縮実をもつ立派なグランジのようなワインまで幅広い」としています。

ギ・アンダーセン氏はかつて、ワイフド・ピッグ・ラングドックというブランドのワインを「シラーズ」として販売したものの、旧法律の元で直ぐに「シラー」と変更を命令されましたが、今回の動きを歓迎しています。「40%の売上ダウンでしたよ。単純に名前だけでね。消費者にはシラーが何なのか理解できなかったのです。」

「今回の措置で、フランスが他の生産国と競争できるようになります。消費者はシラーズを買いたいのに、われわれがシラーズを売れないなんてね。他の生産国と同じものを造っているのにね。」と述べる。

フランスワインの世界シェアは過去10年間の間に50%から40%にダウンしました。ここに来てユーロ高、米国内でのフランス嫌い運動、新世界ブランドとの熾烈な競争などの中で、2003年には輸出は前年比4%もダウンしました。イギリスでは、2003年4億6800万本の新世界ワインを飲みましたが、フランスワインは4億1000万本にとどまりました。

2年前にジャック・ベルトモー氏は、「現在の危機はみずから招いたもの。品質の悪いワインが多すぎる、でなければマーケティングはど素人だし・・・小さな雲の上で酔っ払って気楽な日々をすごしてきた。新世界ワインは、その間に近代的な技術で大きく飛躍してきている」と述べたことがありましたが、これについてベケット氏は「ベルトモー報告から、フランスでは、強力な推進力をもつ新世界に挑戦するための方策を練ってきました。これはその手始めですよ。彼らに必要なことは、品種の特徴を明確にすることです。一貫性は必要だし、量も必要ですよ。」と述べました。

【要約終わり】

3月16日付スコッツマンからでした。恥も外聞も捨てて新たな時代で生き抜く覚悟をきめたフランスワインの動きです。フランスワインがよりバリューが高くなるとしたら歓迎します。面白くないのは、旧大陸主義の一部の日本人だけじゃないかな?

実は2月21日のルモンドには、INAOのルネ・ルノ氏が「スーパーAOCを設立しよう」という提案をしていました。イタリアのDOCGを作ろうというニュアンスの内容で、明らかに高い品質のワインを生産する生産者にのみ与えるステイタスです。これに対して、ハーパー・オンラインに、ブルゴーニュではこのアイデアは受け入れられたものの、ボルドーでは「消費者を混乱させる。AOCのレベル向上が先決、またAOC外でマス市場で売れる商品育成が大事」という意見があったという報告がありました。

これは、ボルドーの関係者が言うとおりだと思いますね。意図はわかる気はします。多分スーパーVdTなどが出てくるとイタリアのDOCのように無意味化する。その前に先手をうって、AOCの中に取り込んでしまえということなのだと思います。憶測の域はでませんので念のため。しかし、今はり自分のための内向きの新たな制度を設けている場合ではないのだと思いますね。 (H)

サシカイヤのはなし

先日「サシカイヤの後継者」と題し、その他のトピックの中でご紹介しましたが、このワインは、以前2001年6月と8月に、サシカイヤのセカンド(でないかもしれない)として紹介したそのワインです。そのワインは「グイダルベルト」で、すでにもうネット・ショップでも、いろいろなショップでも手に入ります。これはフォーブスのニック・パスモアが、今週のワインとして紹介していたワインでした。こういう話は、別項目でまた4月よりご紹介していきます。が、実はわたしがご紹介したかったのは、彼が書いていたサシカイヤについての話でした。いずれにしてもパスモアの記事をちょっと要約してみましょう。

【要約】

マリオ・インチーザ・デッラ・ロケッタ侯爵(1899-1983)が最初のサシカイヤを出したのは1970年だった。イタリアワインの歴史の中で間違いなく革命的なワインだった。100%カベルネで、しかも小樽で熟成するという完全な異端児であった。しかしこのワインは世界中から高い評価を得たのだ。このワインが登場して以来、イタリアのワイン産業は全く違う道を歩み始めた。

サシカイヤの登場から33年、ようやく、マリオの息子のニコーロは最初の後継者ともいえるグイダルベルトGuidalbertoを販売開始したのである。

違いは、サシカイヤは100%カベルネであるのに対して、グイダルベルトは40%カベルネ、40%メルロー、20%サンジョヴェーゼである。サシカイヤよりも軽めで、ソフトである。

サシカイヤよりはアプローチしやすいものの、このワインも大きく、複雑で長期熟成のワインではある。2000年物は多分飲み頃は2010年ごろであろう。土、タバコ、杉、スパイスなどの凝縮したフレーバーを持つワインであり、セラーリングを楽しみたい。

さて、そもそもサシカイヤはどうして登場したのか。

インチーザ家は、数百年の歴史を持つ醸造家族である。侯爵は、1940年にクラリーチェ・デッラ・ゲラルデスカ婦人と結婚したが、婦人の結納品の中には7500エーカーのテヌータ・サン・グイードの土地が含まれていたのである。これこそが偉大なるワインへのスタートであった。侯爵は第二次大戦を期に、初めてみずからブドウを栽培することを思い立った。個人的にボルドーが好みで、既に畑にあったブドウの木々は優秀でもなかった。ということで、近隣の丘陵地にあったカベルネ・ソーヴィニョンとカベルネ・フランを使って、自分の畑も植え替えたのである。醸造したワインは、ボルドーに倣って小樽で熟成させた。

最初の結果は無残な結果−に思えたので、そのまま放置した。があるとき再度試飲してみたところ、驚くほどに充実して複雑で、突如として将来性が見えたのである。そこで、侯爵はみずから畑の工作に取り組み、新たな技術を畑に取り入れ、充実したブドウの栽培に勤めた。1968年までには、最初のワインをリリースできる状態になっていた。「サシカイヤ」の意味は、「多くの石が存在する場所」、そう、サシカイヤの原料となるブドウが栽培された場所を意味したのである。

【要約終わり】

ということでした。もっともっと深く探ってみたいですね。このサシカイヤの話。面白い逸話がたくさん出てきそうです。(H)

その他のトピック

○ニュージーランド) 供給過剰
いくつかのソースで、2004年の収穫は前年比30%アップで、供給過剰の可能性があると伝えています。

○アメリカ) ターリー対ブライアント逸話
ターリー対ブライアントは一応決着しましたが、ナパ・ニューズのレポーターの「その後独り言」がありました。スペークテータの記者をみたブライアンが「映画でもつくるつもりかね?」と気分を害していたというような、さまざまな法廷内外での逸話が紹介されていました。ご興味あればまたご紹介します。

○オーストラリア) スクリューキャップの状況(重要かも)
オーストラリアのジェフリー・グロセット氏は、2004年オーストラリア産ワインの2億本はスクリューキャップのボトルになるだろうという予測を発表しています。何と、上のトピックで言えばイギリスに入っている4億本のうちのほぼ50%の量ということになりますね。そしてそして、2003年の日本への輸入本数であった1億6400万本(バルクを含まない)を超える本数以上です。すでにスクリューキャップは、ここまで来ているということです。

**********************************

質問、意見、苦情などはhm@barriqueville.comまでお願いします。