Topics&Columns(2002年12月23日)
ムートンとロッチルドのドメインネーム
インターネットのドメインネームは、1999年に法律ができるまでは、早い者勝ちで登録してしまった人のものでした。そこで有名な企業の名前をいち早く登録してそのドメインネームをその企業に買い取らせるという商売が一時はやりましたが、ワインでも似たようなことは起きました。そのひとつがデカンター・コムに紹介されていました。
要約:
ワイン好きの24歳のニコラス・ゲビーは、学生だったときにムートン・ロッチルドとラフィット・ロッチルドのいろいろなパターンのドメインネームを登録した。
彼はこの2つのシャトーに対して、数ケースのワインで払ってくれればこのドメインネームを返すと提案した。2つのシャトーともにドメーヌ・バロン・ド・ロッチルドが所有している。
現在、ロンドンで職業斡旋コンサルタントをしているゲビーがデカンター・コムに語ったところによると、「自分はもちろん、何の見返りがなくてもドメインネームを返上するつもりだったのですよ。買い取ってくれとはいいませんでしたが、もしバーティカル・テースティングのために一ケースを送ってくれるとうれしいです、とは言いましたね。」
2つのワイナリーの反応は月とすっぽんだった、とゲビーは語った。ムートンからは、すぐに弁護士の脅迫状が来たがラフィットはランチに招待してくれた。
「ラフィットはボルドーのレストランでのランチに招待して、93年か95年を2ケースくれると言ってきた。」
だが、ムートンは事態を深刻に受け止めて、Internet Corporation of Assigned Names and Numbers(ICANN)に報告して法的手段に訴えようとした。
ドメーヌ・ロッチルドの弁護士がデカンター・コムに語ったところでは、
「われわれは数本ワインを提供し、またかかった費用をこちらで持つと言ったのですが、彼はそれでは十分ではないと言い張ったのです。その間、1年以上ですよ。われわれは交渉に疲れ、法的手段に訴えたわけです。」
最終的にラフィットは、ゲビーがボルドーまで取りに来るという条件つきで2ケースを提供することにした。
「本来ならば、われわれはネゴはしません。これはわれわれのトレードマークなんですから」と、弁護士は付け加えた。
要約終わり
パインリッジの創設者の転身
オレゴン発信のavalonwine.comというサイトのニュースからです。
要約:
オレゴンのアーチェリー・サミットおよびナパのパイン・リッジ・ワイナリーの創設者であるゲリー・アンドラス氏が新しい妻に新しい子供、そして新しいワイナリーをもってオレゴンに戻ってくる。ウィラメット・ヴァレーでママ・パパ・ワイナリー(訳者注:家族だけで総出で切りもりする零細ビジネスを「ママ・パパ」といいます)をはじめるためだ。
すでにポートランドの南西にある40エーカーの畑をもつライオン・ヴァレー・ヴィンヤードを購入したという。彼は今週、妻のクリイスティーンと生後10週目の娘と一緒に、新しい家に引っ越す。コロラドのワイン・セールス・アシスタントだったクリスティーンには昨年出会い、「一目ぼれ」だったという。
「本当はワイナリーを作るためではなく、オレゴンにただ戻ってくるだけだった。でも、探し始めてライオン・ヴァレーの土地を見たとき、これこそ望んでいたものだと思ったんだ。
自分で何でもやらなければいけないような生活が懐かしかった。もう一度、一からやり直すような気分だね。」
来年の秋には自分のオリジナルのブランドでワインを出す予定だが、今年は近隣の知り合いからブドウを買い、その樽はすでに熟成に入っている。
去年の夏に、彼は新しい妻と一緒にニュージーランドに行き、ピノ・ノワールの生産に取り組むと発表した。セントラル・オターゴに拠点を持っている。アンドラスによると、このプロジェクトは今も進行中だが、家族はオレゴンに住み、頻繁にニュージーランドに行くという形態に変えたそうだ。
ニュージーランドの新しいワイナリーは、新しい妻の名前をとってクリスティーン・ロレインとし、来年の秋からアメリカでも販売される。
アンドラスは昨年、年間85000ケース生産するナパのパイン・リッジ・ワイナリーのCEOを引退した。まだカーネロスにシャルドネの畑を持ってはいるが、近隣のワイナリーに売っているだけで実質上、ナパから離れた。
オレゴンに戻ってきた一番の理由は、娘のダニエルと孫娘のソレナの近くに住むためだ。ダニエルとその夫のローレント・モンティリュ(オレゴンのウィラケンジー・ワイナリーのワインメーカーをしていた)は、今年自分達のワイナリー、ソレナを立ち上げた。
ライオン・ヴァレー・ヴィンヤードを売りに出した前オーナーは、インテルのソフトウェア・サポートのエンジニア、レヴィンタール氏で、91年にこの土地を買ったが、9ヶ月前に売りに出していた。彼によると、「フルタイムの仕事の傍ら、ワイナリーを経営するのは無理なんです。実際には85%ぐらいはマーケティングの仕事なんですから」と話してくれた。レヴィンタール氏は、フランスでワイン醸造を学び、オレゴンでもその経験が生かせると考えていたが、実際にアメリカとフランスのワイン造りは全く違ったという。「アメリカ人の味覚はフルーツ優先で、すぐに飲めるワインです。ワイン・ライターもオーク香の強いピノ・ノワールが好きで、私のスタイルはそれとは違いました。オークに頼らずに熟成させるワインは、高い点数がもらえなかったんです」という。
彼はちゃんとした人物がワイナリーを買ってくれたことに満足しているようだ。
要約終わり
ポリフェノールの悪作用
こんどは、ポリフェノールの悪作用についての報告です。サイエンス・デイリーというサイトからの要約です。
要約:
コーネル大学と米国農務省の科学者が行った細胞研究の結果が11月6日付けのJournal
of Agricultural and Food
Chemistryに発表されました。このジャーナルは、世界最大の化学者組織であるAmerican
Chemical Societyの発行するものです。
この研究はジュースが鉄分の摂取能力に与える影響を比較した最初のものです。これによりますと、色の濃いブドウジュースに含まれるポリフェノールは鉄の摂取能力を弱めます。グレープ・ジュースは67%、プルーンジュースは31%摂取能力を下げました。これに対し、色の薄い梨ジュース、リンゴ、オレンジといったジュースでは鉄分の摂取能力は逆に高まっています。
鉄分は、こどもの成長にとって、精神面でも肉体面でも重要な働きをしています。成人男性や閉経後の女性では鉄欠乏となることはあまりありません。世界的に見て鉄欠乏性貧血は子供達にとって、一番の問題なのです。
しかし、リサーチャーたちは、これをもってすぐにグレープ・ジュースを飲むのをやめるのではなく、グレープ・ジュースばかりを飲むのはやめましょう、と言っています。
要約終わり
個人的には、プルーンジュースも鉄の敵だったなんてショックです。プルーンは鉄分が多いので、妊娠中、鉄分補給のためによく食べていたのに・・・どういうこと!っていう心境ですね。(N)
ちなみにジュースではく、ワインになっても同様の結果となるのかどうかはわかりません。
ワイン・オブ・ザ・イヤー
年末ですから、いたるところでワイン・オブ・ザ・イヤーが発表されています。スペクテーターなどの有名なところは、いたるところで引用されるでしょうから、ここではオーストラリアとニュージーランドをカバーするワイン雑誌「ワインステート」のワイン・オブ・ザ・イヤーをご紹介して、今年最後の記事にしたいと思います。
スパークリング部門
1. Clover Hill Tasmania Sparkling, PN/CDN/PM 1998
リースリング部門
1. The Wilson Vineyard Gallery Series Riesling 2001
ソービニョン・ブラン部門
1. Palliser Estate Martinborough Sauvignon Blanc 2001
セミヨン部門
1. Waverley Estate Semillon 1993
シャルドネ部門
1. Shadowfax Chardonnay 2001
ピノ・ノワール部門
1. Palliser Estate Martingborough Pinot Noir 2000
メルロ部門
1. Zema Estate Coonawarra Merlot 2000
カベルネ・ソーヴィニョン部門
1. Vasse Felix Heytesbury
シラーズ部門
1. Normans Chais Clarendon Shiraz 1998
甘口白ワイン部門
1. Miranda Bolden Botrytis 2000
酒精強化ワイン部門
1. Morris Old Premium Liqueur Muscat
各部門の一位だけを挙げましたが、ソービニョンとピノ・ノワールの一位を獲得したパリサーは、スパークリング、甘口白ワイン、リースリング部門でそれぞれ5位に入賞しているというすごいワイナリーだということを発見しました。ニュージーランドのワイナリーですが、そこのワインメーカーの名は、アラン・ジョンソン氏。
ちなみにピノ・ノワールとシャルドネはデックファイブでも出していますので、是非一度、お試しください。