Topics&Columns(2002年12月9日)

 

スペクテータ対ボーリュー

完全にバトルモードに入ってきました。アメリカ人はこうなると収まりがつかない。12月5日付けワインスペクテーター・オンラインでは、コメンテーターのジェームズ・ローブ氏が、ついに爆弾を落としました。

このスペクテータの記事は、どういう経過をたどってローブ氏がBVのワインをテストするにいたったかを紹介し、続いてそのテスト結果をBVのワイン・メーカーであるジョエル・エイケン氏に見せたあとの結果がどうだったかを話しています。そして・・・

『TCA問題のむずかしさは、誰でもが理解できるというものではないという点だ。BVは昨年度にたったの4件しかクレームはなかったと述べた。ワインが劣化している、あるいは、TCAに汚染されているということを感知できるという能力には大きな開きがある。しかし何と言っても、テストの結果は、BVの赤ワインの多くにはTCAが存在するということが確認された。

恥ずべきことは、BVの誰も自分達のワインの欠陥について真剣に調査をしなかったことだ、さらに3年間というヴィンテージに渡ってTCA汚染をほうっておいたことだ。殆どの消費者が気がつかないということが事実としても、ワインの問題に対して、その生産者がどう対処するかということが、将来にわたって消費者がその生産者のワインをどう受け入れていくかということを決定することになろう』

としめくくっています。注意深く書いた文章ですが、消費者を代弁した形で締めくくったために、完全にBVを攻撃したことになると思います。しかしローブ氏の言うことは・・・事実です。狂牛病事件と完全に重なります。BVの100年の運命やいかに!?(H)

コルクに関する馬鹿な話

コルクと森林、野生に関する一つの記事がありましたのでご紹介します。BBCが12月6日に伝えた記事は、「世界野生基金(World Wildlife Fund = WWF )は、コルクの消費は森林に影響を与えないが、コルクの消費が下がることで野生の生き物にダメージを与えると発表した」という通念的には逆ですが、単純な内容です。そして・・・

「最近は人口コルクや、スクリューキャップを使用する生産者が増えてきているために、コルクの需要が減り、コルクの栽培従事者が減少、さらにコルクの栽培面積が減少してきているために新たな木々を植えねばならない。これらの新たな木々はより多くの養分を必要とするために、生態系に影響をあたえる。適正な森林マネジメントが行われねば、いずれ砂漠化する。そして野生動物も消えていく。まもなく市場の30%がコルクを使わないようになる。そうなれば、地中海の森林はすぐに消える」

としています。WWFのこの調査は、どれぐらいのタイム・スパンで考えているのかが疑問です。コルクを使い出したのはせいぜい300年のこと。それ以前は、普通に森林だったんではないのでしょうか?また、コルクを使わなくなったからといってコルクを引き抜く必要はそもそもあるのでしょうか?砂漠の問題は、地球全体の問題ではないかと思います。

私にとっては、今週の記事ではナンバーワン馬鹿記事でした。(H)

あるく蒸留装置

世の中にはつくづく変な人がいるものです・・・

『肝臓がアルコールを精製すると主張していた人物がいましたが、この人物、二度目の飲酒運転検挙の後に、自分が飲酒運転をしていた事実を認めました。

船の船長をしたこともある46歳になるダグラス・ハーヴィー氏は、自分が人間蒸留器であると主張することをやめました。パース・シェリフ法廷(スコットランド)でのことです。法廷を後にした氏は、二度と運転しないと述べました。彼は、なんと昨年の11月に法定制限の約4倍の量を飲んでいたことを認めました。

ハーヴィー氏は、当初、自分の肝臓に問題があって、勝手にアルコールを精製するので、違法ではないといっていましたが、この主張を取りやめたものです。さらに、一方通行道路を逆走したり、無保険で、ブレステストをごまかした事実も認めました。弁護士は、「私のクライアントは、母親が年寄りなので、自分が飲酒運転をしたほうがまだ安全であると判断したもので・・・」

当初、彼は「ウイスキー一杯とビールをジョッキに半分の量を3時間かけて飲んだだけだと主張していました。弁護士も「彼の肝臓は異常に反応して、通常ならアルコールを代謝すべき肝臓が逆にアルコールを作ってしまうのです」と言っていました。』

などと続いていきます。よくそんな突拍子もないことを考え付いて法廷で主張するものです。しっかしすごいですよね。イギリスには結構この手のことを言っていた人は以前もいましたよね。BBC12月5日版からでした。(H)

まだまだワインは効く

ワインもセックスも効き方が同じという話−きょうは変な話題が多くて助かります(^_^)。ICニューカッスル.CO.UKが12月5日に伝えた話題です。

『カゼ、インフルエンザのシーズンが来ましたね。健康には気をつけましょう。寒い夜をあたたかくすごしてカゼを防ぐためには−赤ワインとセックスです。

まあ、もっともらしいですが、しかしながらこの二つは意地悪な虫どもを寄せ付けないという根拠があるのですよ。(訳注:ほほー)

まずは後者の方からですが、ペンシルバニアの心理学者たちは、セックスはかぜとインフルエンザを予防するベストの方法であるかもしれないと発表しました。(訳注:心理学者か・・・)

かれらの調査によると二回/週でセックスをすると、体内の免疫機能が強化され、その結果かぜを引き寄せないようになるとのことです。(訳注:心理学者がどういう調査をした結果なのだ?)

スペインの科学者は4000人のボランティアを対象に行った結果として、ワイン、特に赤ワインを飲むとかぜの進行が止まるということを発表しました。5つの大学の専門家達の調査によるものですが、1日当たり二杯以上のワインを飲む人々は、飲まない人に比較して、かぜになる人が44%少ないというものです。しかし単にアルコールが効いているというのではありません。この調査では、ビールやスピリッツでは、同じような効果は現れませんでした。(訳注:オッケー)

カーディフ大学の一般感冒センターのロン・エックレス教授にこれらの説についてうかがったところ、「赤ワインは抗酸化物質なので、ビタミンCと同じようにかぜの症状を抑える役割を持っているかもしれません。しかしセックスがかぜやインフルエンザに効くかどうかはわかりませんね。逆に他の人との接触が多い分、かぜを引きやすくなるのではないですかね。まあその考えを全く否定はしませんよ。しかし、病気を防ぐためにはもっと信頼性の高い方法があるとおもいますがね。(訳注:もっともだ。しかしなんでセックスなのだ?ただの運動とは違うのだろうか?)』

この後は、非常にまともな「どうやってかぜを防ぐ」という常識的な話なので割愛します??(H)

MRIでワインの酸化=劣化がわかる

いやあもう今週は大変!めちゃくちゃな人が多すぎる。他にやることないのかよ!いやいやすごいかもしれない・・・。

『UCデイヴィスの助教授マシュー・オーガスティン氏は、MRIを使って古いヴィンテージのワインを診断するという方法を発表しました。

大学院生とエンジニアと一緒に共同で新たなマシンを開発しました。このマシンに栓をしたままのワインを入れて診断すると、ワインの健康状態−酢になっていないか−がわかるのです。

セラーに長い間眠っているワインをディナーに供する際に、あらかじめこれでチェックすれば、いざあけてみて恥をかかなくてすむ−サラダドレッシングにするべきか、クリスタルグラスに注ぐべきかを判断することが出来るようになるというものです。あるいはオークション・ハウスがこのマシンを使うことで、あらかじめ価値判断が出来るようになるでしょう。

オーガスティン氏のチームは特許申請を行いましたし、ヴェンチャー・キャピタリストたちも出資するようですが、そうそうにシャーパーイメージのカタログに載るようにはならないでしょう。この機械、一つ作るのに一万ドルかかり、商業用のモデルの製作には5万ドルから10万ドルかかると見られます。これぐらいかけるのであれば、消費者達は多分、誰かに調べてもらうでしょう。さらにオーガスティン氏のマシンは、水分量、エタノール量、そして酢酸量を調べることが出来ますが、果たしてTCAなどによって汚染されているかどうかということまではわかりません。この点についても改良が望まれます。

これらの問題については、いずれ解決されるとオーガスティン氏は述べています。

酢酸は、ワインが酸化すると生じるものですが、ワインは、1.4g/lの酢酸があると、ワインは劣化していると言われます。一部の人々は0.7g/l程度でも認知できるようですが・・・このマシンでは、0.1g/lの酢酸量を検出できます。そこで参考までにいわゆる酢の酢酸量を測ってみたら、12.56ありました。そして比較のために以前にテストで使った1996カベルネ・ソーヴィニョンを計測したら4.7でした。

私が持ち込んだワインをテストしてもらいました。シェナンドー・ヴィニヤードの1978年アマドー、ジンファンデル。何回も動かしたし、注意深く保存していたわけではありません。持ち込んだワインのうち数本には、吹いた後があって、ボトルの肩までしか液面がありませんでした。黒っぽいボトルからでもワインは薄くなっているのがわかりました。どう見ても健康そうではありませんでした。

テストの結果、オーガスティン氏は「酢酸量は、感知できるよりはるかに低い値ですよ。数年は行きますよ。パーフェクトの状態が保てるとすれば10年はいけるでしょう」

そう、あと数年は寝かすつもりでした。しかし家にたどり着いてボトルをもう一度見たとき、私の考えはちょっと変わりました。液面が低すぎると思って、思い切ってあけてしまいました。コルクはぼろぼろになってしまいました。

ようやくグラスに注ぎました。驚いたことに、かすかにはつらつさはありませんでしたが、すばらしいワインでした。ふくよかで、ナッツ、プラム、プルーンなどジンファンデル特有のフレーバーに満ちていました。ジャミーな果実感はまだありましたし、骨格もしっかりしていたのです。酢酸の印象は全くなかった。ドクターが言ったとおりだったのです。』

期せずして全訳に近く訳してしまいましたが、この記事は、12月4日にサクラメント・ビーのマイク・ダンが書いたものです。

まあ、酢酸の量は好き・嫌いには関係ないですが。しかし、やはり酸化しているワインを平気で売るというわけには行かないですよね。それを事前にチェックできるようにするという発想はすごいですね。この機械とこの人、面白いです。これからどういう展開になるか。(H)