Topics&Columns(2002年10月15日)
コマーシャル
騒がしい声の中で、人影が画面を横切る。遠くから中央にグラスに浮かび上がってきて、そして奥から女性が現れ、グラスを持ち上げ、軽くグラスをゆらしてワインを嗅ぐ。そしてそのグラスをカメラの前に突き出す・・・
なんのコマーシャルかな?まさかな?と思っていたら、以前報告したことのある、なんとまさかのボルドーCIVB(ボルドーワイン委員会)のコマーシャルでした。「ボルドーで集まろう」というキャッチフレーズです。同時にCIVBは10月1日から11月30日までレストランを支援するというキャンペーンを行なっています。コマーシャルで直接最終顧客にアピールし、そしてレストランを通じてボルドーをプッシュするということですよね。
かつてボジョレーは、世界の誰もが知らない、知っていても「あんなもの・・・」と言っていた時代がありました。そこに帝王ドブッフが現れ、大々的にマーケティングを展開したのです。それは功を奏し、「ボジョレー解禁行く年来る年」よろしく大西洋横断衛星テレビ放映までやった・・・というのはつい最近のことでした。で今年はボジョレーのワインはあまりまくって大処分という状況。
果たしてボルドーは、どこまでやるでしょうか?「大衆化」を目指すことの功罪。議論は尽くされているのでしょうが、あえてそうしないという考えかたもあったでしょうに。
今回のものは、あきらかにボルドーの認知度を高めようというキャンペーンだと思いますが、考え様によってはこういうキャンペーンの繰り返しが全体でワイン消費・人口のパイを広げることにつながるといいですね。ボルドーは、誰がなんと言おうと、やはりワイン界のリーダーたる産地ですからね。(H)
デス・オブ・ザ・コルク
閑話休題。面白いものを見つけました。
ランデル・グラームというのは、ボニー・ドゥーン・ヴィニヤードの変人オーナーです。彼のラルフ・ステッドマン(これも変人画家です)を見出した能力は素晴らしいものがあります。そしてグローバルなビジネス展開もすごく立派です。ただ、彼はコルクが嫌いなのです。無論彼のワインにはコルクは使いません。
ということで、彼はhttp://www.deathofthecork.com/というサイトを持っています。彼はNYで、10月2日にデス・オブ・ザ・コルク・パーティを行ないました。皆さんは、「また新世界ワインのクレージーな連中がくだらないことをやっている」と思うでしょう?
そこにジャンシス・ロビンソン女史が入っていたたらどうします?そしてジャンシスが、「ミスター・コルクへの追悼」を書いていたらどうでしょう?
だっはっは(大笑)。
私が言いたいことを誤解しないでくださいね。ここでコルクの議論をするつもりはないのです。この人たちは、ワインを楽しんでいるということです。遊んでいる。コチコチの世界の中でのコルク議論はありますし、この人たちも白熱の議論を交わすでしょう。しかしそれだけではない―ということ。日本でもワインをもっと楽しめる環境があればいいですよね。(H)
ニュージーランド航空のワイン査定方法
要約:
NZ航空は、フライトに載せるワインを10月12日に決定しました。578のブラインド試飲を行なった結果です。その評価にあたっては高度、客のストレス、湿度が、まず最初に考慮されなければならないのです。そして次のことが査定要素です。
(1)クラス項目
ファーストクラス: 優良ワイン
ビジネスクラス: 強めのフレーバー、品種明確、トレンディ
エコノミークラス: 耐性
(2)詳細
- 耐性: 3ヶ月間、コンテナにおけること
- 複雑さ: 考慮しない。気圧のためにフレーバーは混乱し、強い要素を強調し、弱い要素を押し込んでしまう。
- タンニン/茎: よくない
- フルーティさ、フレッシュさ: よい
NZのワインをベストの状態で提供することが目的だということで「ショーケース(展示棚)」という言葉が飛び交っています。「ファーストクラスの多くのお客様はNZ以外の国の人です。NZに対する第一印象はフライトにのったときに決まるのです」というのが考え方なのです。
要約終わり:
これはNZヘラルドが10月13日に伝えたものです。どんなワインを載せるのでしょうかね?考え抜かれたワインリスト、見てみたい。機会があればぜひ載ってみたいです。エコノミークラスですが。(H)
ちょっとつぶやき・・・
ブルガリア産のワイン、ドメーヌ・ボイヤー「オリアショヴィッア・カベルネ・ソーヴィニョン・スペシャルリザーブ」1992年というワインを飲みました。12ヶ月間アメリカン・オークで熟成したというワインです。
数年前にやまやで買ったんですよねこのワイン。1000円かそこらで。いままで持っている人間も珍しいかもしれませんが、このワイン、むちゃくちゃうまいです。びっくりするぐらいのヴォリューム感のある香り、そして果実実と凝縮感。荒削りな感じがまた素朴でいいです。圧倒的に今ひとつなのは余韻が短いこと・・・。しかしそこそこ熟成したワインの味わいを楽しむには十分過ぎるぐらいの味わい。もっとかっておけばよかったなあ・・・。
本日あるお店で1989年のオー・ブリオンを飲んでいる人を見かけたので、「今日は自分もちょっとぐらい熟成感のあるカベルネが飲みたいなあ」と思ってあけたワインでした。値段的には100分の1ぐらいのワインです。
5年ぐらい前の話ですが、ある勝沼の醸造所で、古いトラピチェを飲ませていただいたことがあって、そのときにそのワインの深い味わいにぶったまげた記憶があったのです。マイナーな産地(当時)だけれども、熟成するとそれなりに美味いという記憶があったわけです・・・それでこれはどうかな?と思いながら取っておいたワイン、そして今日あけたものでした。こんなのを毎日飲みたいです。安くて、熟成していて、人に自慢したいぐらい美味くて・・・
イギリスでは、南米、南ア、そして東欧のワインも出回り、旧大陸ワインは苦戦している模様。しょうがないですね、こんなワインが出来てしまうわけですから。日本のメーカーさんもこの程度のワインをこの程度の価格で造っていただきたいですね。そしたらワインの消費人口が広がるかも。(H)
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今日はなんだかニュースよりも感想の方が多くなってしまいました。ご意見、ご質問、苦情、問題の指摘などありましたらhm@barriqueville.comまでお寄せください。では来週。