Topics&Columns(2002年9月16日)
ルイ・M・マーティーニ、ガロ傘下へ
日本では確かにあまり見かけないですね。というか最近私があまり酒屋さんに行かないからかもしれませんが、ルイMマーティーニというカリフォルニアのワインの生産者は、かつては偏屈で知られ、1950年代以降本格的なワインを目指した先駆的生産者としても知られていました。創業者のルイ・マティーニは、カーネロスがまだ羊の牧場だけだった頃にここに畑を作り、ピノとシャルドネを植えたときには、人々はクレージーだと言ったといいます。また、メルローを単一品種として初めてマーケットに出すなど、いくつかの業績も残しつつ、ついカルトワインが登場してこようという1990年代の初めぐらいまでは、そのプレミアム生産者としての地位は続いていました。また、仲間に呼びかけてワイン・インスティチュートを作ったのもルイ・マティーニでした。そんな由緒あるワイナリーでしたが、ところが「ルイエムが売却されるのはもうすぐだ」、という話が、最近はナパではまことしやかに語られるようになっていました。いくつかのソース(NYタイムズ、SFゲイト、セントヘレナスター他)に出ていましたので、まとめてお伝えします。
ルイエムもガロもイタリア系、そして1933年にワイン会社を設立。ガロは、年間5500万ケースを生産する世界最大のワイン会社とは言っても家族経営の会社。ルイエムは、年間10万ケースを生産するナパでは中堅のそしてこれも家族経営の会社です。長年家族同士の付き合いが続いていて、その考え方や哲学をよく理解できる関係でした。現在双方とも第3世代がその経営に携わろうかというところです。
交渉は18ヶ月に及んだといいますが、その合意の詳細な内容は明らかにされていません。ただルイエム側によれば、現CEOのキャロライン・マーティーニ、そしてVPでワインメーカーのマイケル・マーティーニ、そしてさらに50名の従業員もそのまま会社運営に残るという発表がなされています。また、ルイエムが自ら造り出したというクローンも生産に使っていくという合意もあるようです。
マイク・マーティーニは「個人として、財務的に危機状態ではないというのは自分としてうれしいことこの上ないですよ。そして世界最大のワイン会社のフラッグシップ・ワインになるということが悪かろうはずがないですよ。ガロも10年やそこら前のガロとは違って、ワインビジネスを長期に捉えているし。」と正直に語っています。
この事実に対する評価はまちまちで、UCCヴィニャーズのデヴィッド・フリード氏は「ワールドクラスの生産者になるためには、ナパにビジネスを持たねばならないということでしょう。肯定的に捉えてますよ。」一方の、ジョン・シェーファー氏は「またナパの伝説を作り上げてきたパイオニア一族が消えてなくなるかもしれないというのは悲しい事実です。」、そしてジャック・ケークブレッド氏も「ナパ・バレーの伝説が失われるのは残念です。またひとつ家族ビジネスが消えた。」
業界アナリストのジョン・フリードキンソン氏は「ガロは常に静かに動きます。静かに入ってきて、可能な限り最高の品質レベルでことを成し遂げる。ベストの畑で、ベストに仕上げる。間違いなくワイナリーの運営にはプラスでしょうし、目立たないようにやるでしょう。彼らはブランドビルダーであって、マーティーニ・ブランドを再確立しますよ。長期的にはナパにとっては有益なはずです。」
さらにロンバウワー・ヴィニャーズのケルナー・ロンバウワー氏は「誰のおかげでビジネスが出来ていると思っているんだろうね?ガロだよ。ガロさまさま。彼らがナパのブドウを使うってんなら、栽培者にとってはグッド・ニュースだよ。ガロの名前が使えるというのは幸いなことさ。」
という感じで伝えられています。マイクが馬鹿正直に言っていますね。中堅どころで、いまや目立たなくなってしまった存在のつらさ・・・ガロに売らねばそれこそブランドそのものもなくなってしまうということだったでしょう。「イングルヌック」ブランドのようにならないのを祈るのみです。そして多分ナパの人たちもみなそう思っているでしょう。
ただの個人的な憶測ですが、今後オーストラリアのようにコングロマリット化が進んでいくのでしょうか。しかし、オーストラリアのコングロマリットと違って、アメリカのガロだのブロンコだのカナンダイグアは、いかにも持っているブランドのプロファイルが低いので、その傘下にあまり入りたがらないのではないでしょうかね?家族経営、がんばってもらいたいです。(H)
9月8日に入って起こった南仏の大洪水、12時間の間に600mmも降ったのです!27人の命を奪い、数千という世帯で電気も滞り、橋は流され、ダムは崩壊するという、そういうものだったようです。ラングドックはエロールのガラルグという村では、自動車に閉じ込められたカップルを救出した救助隊員が、その後に死亡するという惨事も報告されています。気のどくに・・・場所的にはアヴィニョンの近くのニムスという地域がもっとも大きな影響を受けたようです。
シャトー・ヌフ・デュ・パプも洪水の大被害をこうむったという報告があります。ヴュー・テレグラフのダニエル・ブルニエール氏は「2日で350mmの雨、畑は湖と化しました。(雨が上がってから)二日間、天候がよければ白の収穫はできるでしょう。しかし完全に水っぽい。」 シラーは完全にみすぼらしく、残るはグルナッシュということになっているようです。ミストラルが望まれるという声もあります。
先週のBBCとデカンターの記事からでした。ことしのヨーロッパの収穫は心配ですね。(H)
オレゴン州といえば、ピノ・ノワール。今や確立された地位を持つピノ・ノワールの産地ですが、白ワインに関してはあまり有名ではありません。シャルドネもさほどいいワインがない、というのが一般的な評価のようです。しかし最近ではその役割をピノ・グリが担いはじめているというニュースがシアトルのローカル・ウェブサイトにのっていました。
要約:
ピノ・グリはここ数年、アメリカ全土で増えているブドウ品種で、昨年比で39%の伸びを示しています。値段もシャルドネよりも20%ほど高く、イタリアから輸入されるワインの中ではもっとも大きなシェアを占めています。ピノ・グリは軽いスタイルものもから比較的複雑なものまで個性の範囲が広く、あわせる料理の幅も広いので、アピールできる層も広くなるというメリットがあり、アメリカではポピュラーになりつつあります。
オレゴンはもともとピノ・ノワールの生産地として有名ですが、ピノ・グリの栽培方法もピノ・ノワールに似たところがあります。冷涼な地を好み、歩留まりを低く抑える必要がある、など。ただし、ピノ・ノワールがどちらかというと土壌に左右されるのに対し、ピノ・グリは気候に大きく影響されているようだという違いはあります。
カリフォルニアではすでに1000エーカー以上の畑でピノ・グリを植えていますが、オレゴンとしてはこういった強みを生かしてこの分野での名声を確立したいと思っています。
要約終わり
書くのはやめようかなと思っていたのですが、書いてしまいます。
テレビでもでてましたが−「ゲイシャ」ワイン。チリで販売されることになりました。ワイン商のエドゥアルド・アレヴァーロ氏は、チリ人帰国娼婦(といったら失礼か?)のアニータ・アルヴァラードにはブランド価値があるとして、「ドーニャ・ケイシャ」と名づけたワインを販売し始めました。中身はカベルネ・ソーヴィニョンです。日本円では500円ぐらいだそうですが。ラベルには「魔性の愛」だか「魅惑の女性」だとかが書かれているそうです。
このアレヴァーロ氏、かつては、ビン・ラディンをもじって「オサーマ」というワインも売り出したことがありますが「日本人を怒らせるつもりはない」と言っているようです。
9月13日に共同通信が伝えた内容ですが、このアレヴァーロ氏、どこかはずれてますよね。頭のどこかのネジが。(H)
スパークリングワインの飲み方
スパークリングというのは、乾杯だけとおもっている人は多いですよね。でもですね。最後に飲むのも良いですよ。ですが、ずっと飲み続けるというのはあまりやらないです。すくなくとも今までは、個人的には・・・
どうもカリフォルニア「シャンパン」の先駆者のシュラムズバーグが「もっとカジュアルに、いろんな食事と」といったキャンペーンをやりながら、レシピの紹介もしているようですね。「へー、ずっと飲んでいいの?」という人も少なくないそうですが。
田崎さんがよくTVに登場していたときには、よく言っていらっしゃいましたよね。たしかにこのあたりは、もっともっと広がる可能性があるのでしょうね。
皆さんはどういう飲み方をされますか?(H)
************
ご意見、ご質問、苦情、問題の指摘などありましたら
hm@barriqueville.comまでお寄せください。では来週。