Topics&Columns(2002年9月9日)

ロード・オブ・ザ・リングをしのぐワイン

6月にTimes of Indiaが報じたということでこのニュースにも乗せたのですが、イギリスのポップシンガーであるクリフ・リチャードがポルトガルに持つワイナリーのワイン、Vida Novaがイギリスのスーパーマーケットで売られています。そしてこのスーパーマーケット(イギリス最大級)のサイト販売で、「ロード・オブ・ザ・リング」のDVDを抜いて売り上げ一位を達成しました。

6本入りのケースが約45ポンド(8000円)で、テスコでは3000本(500ケース)が8月12日に売り出されましたが、1日で完売。他のサイトでも半日で200ケースが完売したとのこと。

ワインはシラーズとアラゴネズという品種のブレンドで、98年のヴィンテージ、ポルトガルのアルガーブというところで生産されたものです。新樽ではなく一年落ちの樽で熟成させています。ワインメーカーはオーストラリアのデーヴィッド・バヴェーストック氏です。

2001年のヴィンテージは27000本を生産し、24000本をイギリスに輸入。クリフ・リチャードのワインコンサルタントであるティム・スタンレー・クラーク氏によると、生産量は3年のうちに倍に増やす予定です。

要約おわり

しかし、このワインの飛ぶような売れ行きは、ひとえにクリフ・リチャードの人気だけなのか、ワインにも何らかの実力があるのか、その辺が知りたいものです。しかしどこでも芸能人のワインには魅力があるようで・・・たしか後藤久美子の夫のアレジも南仏でワインを造っていたはず・・・日本には輸入されないのでしょうか?

 

オークションの光景だそうです

http://www.californiawineandfood.com/events/sonoma-valley.htm

の写真だけをみていただきたいなと。いやー、オークションといえばブラックタイが良く見かける光景ですが、ここでは全く異なる光景が見られますよね。ワイン・オークションではないですからね。しかしワインメーカー達の普段の顔が伺えるようですよね。(H)

 

またまた健康の話題

(1)ワインは二度目の心臓発作の発生率も抑える

フランス、グルノーブル大学の研究者の発表ということで、ロイター電が9月3日に伝えたものです。飲まない人より、飲む人のほうが50%は二度目の心臓発作を起こす確率が低いというものです。

性懲りもないといったら失礼なのでしょうが、この辺りの研究はさらに進んでいます。一度の心臓発作で死ななければワインを飲みなさい!?

(2)白ワインよりビールの方が良い

抗酸化作用のあるアルコール飲料としてということです。8月27日付けニュートライングリーディエントが伝えました。

これはオーストラリア、ニュー・サウス・ウェールズ州のニュー・イングランド大学の発表です。この研究を行ったワトソン教授によれば「赤ワインがビールより抗酸化作用をもつということはあまりない」とも言っています。違いがあまりなかったということを言いたいのでしょうね。

最初の話題では、赤ワインかどうかは書いていませんが、多分そうなのでしょうね。しかし赤ワインがビールと抗酸化作用が同じとすれば、それは問題でしょう。プロアントシアニジンはどうするのですか?あるある大辞典の放送はどうしてくれるのですか?

どうもしなくて良いですが・・・(H) 

 

2002年の収穫は心配

ボルドーでは、8月に雨が多く、そして日照が少なかったために、収穫を心配する声が結構出てきているようです。9月4日デカンターから。

『シャトー・レイノンのデュボルデュー教授は、「レオニャンには8月中旬に強い嵐が来た、しかしグラーブ南部は大丈夫だった。サンテミリオンやメドックでの降雨も降ったり降らなかったりで、ボルドー全体で天候が不順だった」そして、ラ・トゥール・フィジャックのオットー・レッテンマイヤー氏は「2002年は偉大な年とはいえない。7月、8月と非常に冷涼だった。雨はそう降らなかったが、日照も少なかった。果皮は厚くなっていないし、仮にこれ以上雨が降るとなると、実は破れて腐ってしまう。今年は、結実しなかった花も多かったし、ちょっと心配ですね」

これに対してシャトー・マルゴーのポール・ポンタリエ氏は「もっといい天気であればよかったでしょうが、しかし1992年、1993年、あるいは1997年の8月の状況よりはベターですよ。収穫量は少ないでしょうが、木々は見事ですよ」

平均降雨量が30−40mmのところでも、110mmの降雨に見舞われたブドウ畑もあります。日照面でも、30度を超えた真夏日は、平均10日に対して5日しかありませんでした。

多分白は赤よりもベターといわれていますが、実際にボルドーで収穫が開始されるのは、あと二週間後と見られています。「天候はいまは良くなっていますし、あと数週間持つことを期待してます。そこまでいってみないとなにも分かりませんよ」とポンタリエ氏。』

こちらは同日づけ、ワインスペクテータからです。タイトルはそのもののようすで、「ヒョウ、2002年バローロの望みを洗い流す」です。

『バローロのベストの生産地といえば、ラ・モッラ。ブルナーテ、ラ・セッラ、そしてチェレキオなどの畑で有名ですが、9月2日の30分にわたるヒョウのために、ほぼ全滅状態となりました。

7月から始まった雨と不良日照でも、丘の上のラ・セッラ、ブルナーテの畑の所有者達は、これらの畑だけは最悪大丈夫、と考えていたようですが、その望みさえ立ち消えてしまいました。

「あんなものすごいのは見たことないですよ。丸々一時間真っ暗になって、恐ろしい風がブドウの木々を激しく揺さぶって・・・そしてヒョウが、ブドウ畑をめちゃくちゃにするほどの勢いで降ってきたわけですから」というのはマルカリーニのマニュエル・メルケッティ氏。

氏によれば、ブルナータ、ラ・セッラ、チェレキオ、そしてカンヌビのいずれの畑にも収穫すべきものはほとんど残らなかったといいます。そしてこの声に同調するのがロベルト・ヴェルツイオ氏。「なんにもないんですよ。マジですよ。100%なにもない。2、3日は悲嘆することになるでしょうが、そのあとにはもう来年のことを考えるぐらいしかやることはないですよ」

アンジェロ・ガイヤ氏は、ラ・モッラにあるコンテシア畑は100%ダメージ、そしてセッラルンガのスプレスでは50%の被害と報告しています。』

がんばれ!ポンタリエ氏の言うとおり。あしーたがあーるーさー。これぐらいしか励ましようがないです。気の毒ですが・・・。(H)

 

あまったワイン、あまったブドウ

需要を上回って供給がなされれば、当然のことながら余剰が生まれるわけで・・・などと経済学の用語を使う必要は毛頭ないですが・・・

現実にあまくりかえっているようですね。ワインについては、フランスのワイン。ボジョレーでは2001年の生産量の7%=何と1300万本!が売れ残って余っており、処分されなければならないようです。

「あまったワインはグレード『3』、つまり一番グレードが低いワインなのでイメージを保つためというのと顧客の関心外ということで処分するのが当然なんです」と語るのはボジョレーワイン専門委員会のゼネラル・マネジャー、ミシェル・ルジェール氏です。

この記事自体9月6日付BBCニュースが伝えているものですが、このルジェール氏のコメントに対して、BBCはイギリスの専門家のコメントを引用しつつ、ボジョレー自体の需要が衰えてきている事実を指摘しています。かつてのボジョレーの最大市場であるドイツや、スイスでは20%の売り上げを失ったのです。理由は、何とハンガリーやブルガリアの旧東ヨーロッパ産のワインの進出によるものです。ちょうどボジョレーと競合する形となっているのですね。

さらにこのBBCの記事は、イギリス、日本、スウェーデンでは多くのボジョレーを買うようになったとしながらも、失われた売り上げをカバーするものではないとし、2002年の収穫は2001年並、そして4200という膨大な数の生産者が造り出すワインも2001年並としています。

んー。そして・・・

『カリフォルニアでは、ワイン用ブドウの生産面積は480,000エーカーあるようですが、まだ生産が始まっていないがいずれ始まると目されるブドウ畑面積は90,000エーカー・・・

今年のワイン用のブドウの収穫は3.3百万トンが予定されているようですが、この数字は昨年の8%アップ。そして何が起こるかといえば・・・当然の事ながら価格の下落ですよね。

ガロ・ワイナリーは、今年買い付けるブドウの価格を昨年よりも約15%低くし、そして2年前のスポット価格の半分以下という価格にし、生産者を怒らせています。コストわれも危惧されています。

そしてさらに、タレンタイン・ワイン・ブローカレッジのアナリストによれば、カベルネ・ソーヴィニョンの生産量は、(いつまでにというのは書いていないですが、多分近々に)ソノマで34%アップ、ナパで44%アップ、メンドシーノで50%アップ、そしてレイクカウンティで58%のアップが見込まれるとしています。

これを履くためには、売り上げを伸ばすことですが、強いドルの影響があって2000年から2001年にかけて、出荷量は3%延びたものの、売り上げは1%下がりました。これからは、中国、チリ、オーストラリアの栽培面積の伸びもあって苦しさが和らぐことはないでしょう。』

上記『』はCalifornia Farm Bureau Federationが発表し、セントヘレナ・スターが9月6日に掲載したものを要約したものです。ワインというか、農産物は細かな差別化が難しいので、基本的にはコモディティになるか、贅沢品になるか、どっちかだと思うのです。コモディティになれば量を増やしてコスト勝負だし、贅沢品になると量を減らして品質勝負−小作農が出来るのはどっちというのは明らか。しかし皆が同じ方向を向いて走るところが世の中なんですよね。そうやって品質は上昇しながらも価格があまり変わらないというそういう循環が出てくるのではないですかね。デマンドサイドを考えるといまのワインの値段は高すぎるので、この供給過剰状況でもって価格が下がってくるというのを望みたいです。(H)

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