Topics&Columns(2001年12月17日)
ワインステート、ワイン・オブ・ザ・イヤー
前の号で約束のものです。ちょっと紹介します。
このワインステートのワイン・オブ・ザ・イヤーの第2位までのワインについては、(1)ワインメーカーの言葉、(2)テイスティングノート、(3)飲み頃までの時間、(4)あわせたい食事、(5)栽培、(6)醸造方法、(7)分析値、(7)代理店、それに(8)販売店、が書かれていて、オーストラリア・ニュージーランドで最大の販売部数を誇るワイン関連雑誌でも、ローカルな雑誌の意識があるのか丁寧な情報が載せられていて良いのです。
甘口の「ノーブルなんとか」という言い方は、なんとなくどこからの流れというのは分かりますが、「ボトリティス」という表現はあまり聞かないですよね。おいしければいいのですが、ノーブルにしてもボトリティスにしても、消費者に分かりにくい表現にしているなあと思ってしまいます。甘口、遅摘み、超遅摘み、などの表現にすればいいのになあ。消費者には分かりやすくするために、あえて品種を表示してきた、という新大陸ならでは合理的な流れがあるわけですから。
まあいいや。年末にオーストラリアに行ってきますので、手に入るものがあれば仕入れてきます。(H)
ワイン・エンスージアスト、ベスト・イン・ザ・ワールド
ワイン・エンスージアストというとバカっぽいですが、米国で主に流通しているWine Enthusiast(WE)という雑誌です。この雑誌はもともとはワインそのものではなくて、ワインの周辺器具、機器のカタログ販売の雑誌でした。いつのまにかワインそのものについても語れるようになりました。ワイン・エンスージアストを日本語にするとさらにバカっぽいですよね。「ワインオタク」という名前ですからね、店頭に並んでいたら「日本も変わったものだ」と思うことでしょう。それはともかく・・・
そこでベストに選ばれたのはJLシャーヴのエルミタージュ1998と、バロッサ・バレーのE&E・ブラック・ペッパー・シラーズ1998でした。200の最終選考に残ったワインのうち、この二つが95/100の同点でした。
欧州ワイナリー・オブ・ザ・イヤーには、カステロ・バンフィが選ばれました。バンフィは、ヴェローナで開催されるコンソルソ・エノロジコ・インテルナツィオナーレでもベスト・ワイナリー賞を何度も受賞していますが、米国の雑誌でも選ばれたということで、更なる信認を得たということになります。
この情報はいくつかのソースによりますが、珍しくも新・旧大陸のシラーが選ばれたわけですね。E&Eは飲んでみたいですね。ローヌはワインだが、バロッサはワインではないという人は大勢います。同じジャッジ達が、そのスタイルの違いさえも乗り越えて高い評価を与えたワインというのはどのようなものか興味あります。しかしこれがワインステートの選考ではどの辺りにあったのかも知りたいものです。
実は最新号のワインスペクテータでもトップ100・ワイン・オブ・ザ・イヤーを選んでいるわけですが、その中には良く知られたグランジを含むペンフォールズ、ウルフブラス、リーシンガムが入ってきます。ローヌのワインにしても、シャーヴは選ばれていないのですよね。でもラングドック、ジゴンダスなどは入っている。
どうしてこのような違いが生じるのかということを考え始めると、きりがないのですが・・・・選考方法(一般投票あるなし)、対象(応募してきたワインか、雑誌の独自選考したワインか)、ジャッジの好みなどがあるのでしょうが、最終的には雑誌の考え方といったら簡単ですが、つまり雑誌として、独自の読者の層などを考えて、どういうメッセージを送れば成功なのかということを念頭にワインを選んでいるのでしょうね。消費者である私達は、雑誌の方向性まで知っていないと、この「ベストなんとか」「トップなんとか」に踊らされることになるのでしょうか。ただ美味いと思って飲んでいれば良いはずなのに・・・(H)
タルデュ・ローランから安いワイン?
14日のワインスペクテータが伝えたものです。
要訳:
ドミニク・ローランとミシェル・タルデューは、1998年からコルビエール商工会議所(のような団体)のコンサルタントとして働いています。
これまでに12のワイナリーが二人との協力を申し入れてきましたが、2001年は、組合生産者5、独立生産者5の合計10のワイナリーでのワイン生産のコンサルティングを行ないました。
これまでどの生産者でも最も古い畑のブドウを選別して十分な熟成状態で収穫を行い、シュール・リーで熟成を行い、最終的に重力を利用して、かつフィルタリングを行なわないボトリングを行ってきています。また樽はローラン氏のクーパレッジで製作された樽をコルビエールでも使用します。「これまでいい樽を使ってこなかった。まあベストの樽をコルビエールで使うはずはないですけどね」というのはタルデュー氏。
二人が携わるワイナリーからの実際の出荷量は1998年の8100ケースから2001年の14500ケースに増えてきています。ワインはそれぞれの生産者の名で出荷されていますので、一見二人が携わったということは分かりませんが、約半数の7000ケースのワインには裏ラベルに二人がコンサルタントを行なったということが書かれています。
現在出荷中のワインのヴィンテージは初めて彼らが関係した年である1998年です。ラングドックでは非常に良い年。二人の名前入りのワインには次のようなワインがあります。
終わり:
記事そのものはパーヘンリク・マンソンが書いていました。2番目のワインの綴りはどうもうかがわしいですが・・・最初のワインはアメリカで23ドルと書いています。日本に来るとどれぐらいなのでしょうか?どなたか輸入してください。(H)
グルマンが選ぶワインたち
グルマンからLes 1000 Meilleurs Vins de France et du Monde (The 1000 Best Wines of France and of the World) の第三版が出版されました。今回初めて、フランス以外のワインが含まれているとのこと。
要訳:
この版の筆者であるエリック・ヴェルディエールとマルク・ミアネ氏は「スタグス・リープのカスク23を私達のリストに加えることができるというのは非常に喜ばしいです。これまである有名評論家からは高い評価を受けてはこなかったようですが、どうしてなのでしょう?多分、その独特のブーケ、繊細なため息が出るほどの芳香、そして美味く組み合わされた味わいとスパイシーさを見落としているのです。地上で最高のワインの一つです」とコメントしています。
250のワインはフランス以外のワインですが、その中の20の四つ星ワインのさらに4つのワインだけがカリフォルニアワインです。カスク23の他には、ジョセフ・フェルプスのバッカス畑、リッジのモンテベロ、シェーファーのヒルサイドセレクトです。
「素晴らしいワインは旧大陸だけでなく新大陸からも生産できるのだという、私の長年の持論を確証してくれるものですよ。品種とクローンの選別を続け、収穫も丁寧に行ない、さらには土壌やテロワールに細心の注意をはらってきました。そういった努力のおかげで、スタグス・リープ地区から一貫して品質の高いカベルネ・ソーヴィニョンを生産することが出来たのです。世界の著名生産者の中に数えられるということは、栽培と醸造に携わるチームへの賞賛であり、カスク23に与えられた栄誉です」とスタグス・リープのウォーレン・ウィニアスキー氏は語っています。
スタグス・リープが同様の賛辞を受けたのは初めてではありません。今年はかのパリ・テイスティングでの優勝から25年目にあたる年です。また、ウィニアスキー氏は、ルイ・ロデレールが選んだ「30人の偉大なるワインメーカー」にも名を連ねています。
訳終わり:
10日のエクサイト・ニュースが伝えたものです。
「他の3つは分かるが、カスク23は理解できない。他のカルトをいれるべきだ」ですか?
カスク23を入れないわけにはいかない事情があるのです。というのはウィニアスキー氏は、カリフォルニアの伝統を作って来た人であり、様々な業界関連協会の協会長を兼務しています。モンダヴィと同様にカリフォルニア・ワイン界での最重鎮。パーカーがなんと言おうと一貫した高い品質のワインを生産し続けている。これでも十分に説得性はあるのですが、しかしそれ以上に、四つ星に「しなければならない」理由があります。
それは過去、ワイン造りに関しては殆ど素人と変わりないウィニアスキーが若い木から収穫したブドウで造ったワインが、世界中に知られたフランスワインを押しのけてパリ・テイスティングで優勝してしまったからなのです。
カスク23に四つ星を与えなければ、フランスワインはとてつもなく品質が低いということを言ってしまうということになるわけなのですよ。仮に3つ星にしたら?「そんなワインにあの時には負けてしまったのか?」と言って怒り出す人の数は半端ではない。ムートンのフィリップ男爵が亡霊となって蘇ることになるでしょう。いまどきのカルト・ワインの出る幕ではないのです。
パリ・テイスティング絡みの事前、事後の様々な状況(競合したワイン、ジャッジ、フランス人の反応、フィリップ男爵の反応、アメリカ人の反応などなど)については拙訳の「カリフォルニアワイン物語・ナパ」に詳しいですのでご覧ください。(H)
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今回はレーティングの話が多かったですね。
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12月31日、1月14日、1月21日