Topics&Columns(2001年9月16日)

コルクの話

コルクに関する記事は永遠になくなることがないかのようですね。

要約引用:

サバテというフランスのコルクメーカーがあります。この会社は1995年に半人工コルク「アルテック」を開発しました。このコルクは2001年には約10セント/個の単価で10億個を販売したといいます。これほどの量を販売できたのは、当然のことですが、アルテックには天然コルクにつきもののコルク臭が出ないという前評判があったためです。

ところがゼラーバッチ・ワイナリーのジョン・パーダッキはアルテックを使ったことを後悔しています。昨年末にボトリングし、近々35ドルで販売する予定だったメリタージュ・ワインは完全にコルク汚染されていたのです。

ゼラーバッチは、このワインの販売量である約1500ケースのワイン、金額にして63万ドルの保障をサバテに対して求めるとしています。ゼラーバッチの弁護士であるビル・カールは、実はもう一つのワイナリーの問題も担当しています。どのワイナリーかは明らかにしていません。

さらにアルテックで被害をこうむったワイナリーがあります。ボーグル・ヴィニヤードです。ここでは1997年物から2000年ものにアルテックを使用したために約7000ケースの出荷を見送らざる得なかったといいます。

サバテは、コルク汚染が多いというワイナリーのクレームを受けて、アルテックを開発しました。天然コルクを粉にし、殺菌し、プラスチックに混ぜるという方法でコルクと同じような弾力を持つ人工コルクを開発し、「汚染ゼロ」のふれこみで販売活動を行ないましたが、現在サバテのウェブ上では「TCA汚染のリスクが低い・・・」という言い方に変わっています。

「顧客からのクレームはごくわずかです。しかしクレームの原因を探ったところ、2000年中盤に生産した物ということがわかってきました。顧客との間では出来る限りいい形で解決するつもりです。2度と同様のことが起きないように品質管理を強化しました。」と語るのはサバテUSA社長のフランソワ・サバテ氏。

引用終わり:

中途半端な人工コルクを使う方が悪いとも言えますが、やはりワイナリーの品質改善の努力と、サバテの顧客に出来る限り応えようとする努力に関しては、サポートするべきだと思います。

そういえばいつでしたか、あるスプマンテをそごうで買ったことがありました、その際にコルクがいかれていたので、そごうに電話したら、すぐに払い戻してくれるという対応をとってくれました。大阪の某ホテルのバーとはえらい違いだった。コルク臭がわからないソムリエを置いておくべきではないでしょうね。4年前の話ですがいまだに忘れもしません。(H)

シャンソンAOC疑惑

今年4月にこのニュース(シャンソンの旧経営陣が別のAOCのブドウを使っており、それを新経営陣が発見し、告発した)をお伝えしていましたが、続報が入ってまいりました。

要約引用:

シャンソン事件はブルゴーニュで頻発するAOC詐欺、詐称の類の事件の一つに過ぎないという見方もあります。なんとなれば昨年12月には警察は、似たような他の事件に関与したとされる10名にものぼる容疑者―ネゴシアン―を逮捕していたのです。3月にはこの事件に関連して、フィリップ・マリオンとフランソワ・マリオンが逮捕されました。

シャンソンの経営責任者は、新オーナーのボランジェからの命を受けたベルナール・ルポル氏ですが、曰く「シャンソンは250年の歴史を誇る偉大な会社。そのようなことをする必要はなかった。今は早く事件を解決したい。クリスマスまでには何とかと考えているが、どうにもプロセスが遅い」

ルポル氏は、現在何千ケースもの在庫を抱えることになってしまっているので、早々にこれを何とかしたいのです。ボランジェとマリオンとの間では評価価額は決着しているようですが、どう格付けしたら良いのかの指示がなければ動かすことも出来ないのです。

ボーヌの人々は早急な事件解決を願っています。というのもシャンソンはボーヌを代表する名前だからです。

「問題が明るみになるということはいい事ですが、シャンソンのような会社のなかでこのような事件があったとすると、他にも影響を及ぼさないわけにはいかない」と語るのはブシャールの輸出部長のブリュノ・レパン氏。

引用終わり

9月10日づけデカンター・オインラインからでした。私も好きなシャンソンですので、驚きといえば驚きでしたが、厳格に引用しているAOCならではの事件とも言えます。そういえばトスカナにも同じような事件がありましたよね。どうなったったのでしょうか?(H)

キウイ・ワイン

このトピックも最近取り上げたもの(フランスのあるワイン生産者がソーヴィニョン・ブランの名前として「キウィ・キュベ」を売り出したという話)でしたが、誰がやっていたものかがわかりました。ロワールの「アンドレ・ラシャトー」でした。

ラシャトーという人物は変わった人物で、「ワインを紫のボトルに入れるとか何か他の色をつけたボトルに入れた方がいいのではないだろうか。ワインのその謎めいた部分を取り除くとか、若人向けに造るとかそんなことを考えるべきだ」と言っています。

これは9日のヤフーUK・アイルランド・ニュースに紹介されていた言葉です。この記事の中では、ラシャトーがやったことは「新たなマーケティングの境地」、「フランス人がおごりを捨てた」、「フランスワインがいかに輸出市場で苦戦しているか示す」などという評論があるという記事を紹介しつつ、こう言ったラシャトーの言葉を紹介しています。さらにラシャトー氏は、

「このワインが新世界ワインのスタイルだということで、大胆にそのままの名前をつけた。英国市場で成功するためには、新しいことを考えつかないといけない。フランス製と書いてあるわけだから、それは間違い様がないし、ただ面白い変装をしているワインということですよ」

というコメントを残していて、私もこのトピックを最初に書いたときには「フランス人も地に落ちた」ような書き方をしましたが、ラシャトー氏の考え方には賛同できます。新世界との競争も厳しくなって、さらにフランスでは若い人々はワインは飲まなくなったという事実を踏まえると、確かに新たな試みをするべきなのです。問題があれば改めればよい。そういう発想ですかね。(H)

ビッグ・ボトルシャンパンについて

先週のトピックに、ビッグ・ボトルのシャンパンはどうやって造るのか教えてください、と書きましたところ、日本リカー株式会社の伊藤様より、テタンジェから信用できる情報ということで下記をご教授賜りましたので、読者の皆様にご報告しておきます。

引用:

ジェロボアム以上の大容量の物と200ml以下の小容量については、適当な大きさのサイズのボトルで二次発酵を行ったものを「トランスバゼ」(瓶から瓶に移す)して造っている。

これは弊社が輸入しているテタンジェを訪問したときの情報です。そのときはテタンジェは1/4サイズを生産しておりました。テタンジェの人間が言うには「うちはドゥミやマグナムも動瓶して作っているが、よそではドゥミもトランスバゼしていると言っていました。

引用終わり:

このような情報をいただきますと、バリックヴィルをやっていて良かったと思うことしきりです。ほんとに・・・(H)

サウスコープとサントリーの提携

13日のジ・アドヴァタイザー・オンラインに、サウスコープとサントリーの提携の話が載っていました。

これによりますと、サントリーは11のリンデマン・ブランドのワインの日本での独占販売権を入手します。サウスコープのアジアビジネス代表のピーター・クラーク氏は、

「日本では既にリンデマンは、知られているがサントリーとの提携によって来年の売上は4倍になる見込み。これまでペンフォールズ・ブランドを20年間にわたってマネジしてきた。その経験をオーストラリア最大のブランドに生かしてくれると期待している」

と述べているようです。リンデマンの2001年の売上本数は500万本と予測されていますが、日本での売上はこの1%も満たないということで、サウスコープは代理店をかえる決意をしたようです。

大企業が大企業と提携するという話は何の面白みもない話ですが、、、当たり前すぎてほんとに何の面白みもないです。ごめんなさい、こんなトピックを載せてしまいまして。(H)

プーリア州の大胆な一歩

イタリアでは「植樹権」というのは州をまたいで売買されるようですね。つまり、北の著名な産地―例えばピエモンテとかトスカナとか―では、DOCの規則上通常はその産地を拡張することは出来ないのですが、南部地域に割り当てられている許容生産量に対して、現地での需要量が少ない場合、その差については「植樹権」として売買できるものとなります。南から権利を買うとピエモンテのたとえば、バローロの生産地域が増える・・・

プリーア州には実は、DOCでの許容生産量の三分の一しか植樹権が残っていません。45千ヘクタールしかないのです。要は北部の生産者達に売っぱらってしまったのです。ワイン産地として危機を感じたのでしょうか、このままではまずいということで、プーリア州は、植樹権売買を制限するという行動に出ました。

目的はバリ北部、ならびにサレントの生産地域を守るためです。近年アンティノリ、グルッポ・イタリアーノ・ヴィーニ、ゾーニン、ジョルダーノ、パスクなどは、この地域でネグロアマーロとかプリミティーヴォの可能性を十分に引き出し、世界市場に売り出す構想を発表しているためです。

この内容は10日付けのワイン・プロによるもので、ワイン・プロでのイタリアの記事は殆どがイタリアワイン評論家のフランコ・ジリアーニによるものです。ジリアー二は、「南部地域のワインの品質へコミットメントの新たな第一歩であるが、イタリア全体での植樹権の値段は上がるだろう。しかし新世界生産者への真剣な挑戦の意味合いもある」という締めくくり方をしています。まあ全くそつのない締め方ですが、一つだけ気になるのが、生産地の拡張に対して結構オープンなニュアンスなのです。私の文の中では書いていませんが、ワインプロの記事の中には、どうもそれと感じられる部分があります。

「・・・生産者が市場のニーズに応じて生産地域を拡張できないというバカげたことまでも官僚達はおしつけることに熱心で・・・」

表現は好きですが、やはり基本的にはイタリアは、規制向きの国ではないということを感じさせる表現です。評論家からしてDOCはどうでも良いと言っているようなものですし、DOCにしてからが、「植樹する権利は売買してよい」などと決めているとしたら規制でもなんでもない。ただの利権操作しなさいと言っているようなものですな。

しかし、プーリアのプリミティーヴォやネグロアマーロといったワインはなかなかです。プリミティーヴォはかのジンファンデルと同一品種だと言われたり、言われなかったりする品種ですよね。いずれにしてもまだ試されたことがない方にはぜひお薦めします。とくに新世界ワインが好きな方には、フルーティでありながら酒質が強いというか、私は好きなのです。(H)

テロ関連の話

テロはワイン業界にはどのような影響を及ぼすかということを見ていましたが、いくつか関連のトピックが出ていました。

ワインドットコムの在庫処分オークションが9月15,16日から29、30日に延期になりました。

ドイツワイン協会の副部長をしていたクリスチャン・アダムスがピッツバーグ近郊に墜落したアメリカン航空93便に乗っていました。サン・フランシスコでのテイスティングに向かう途中でした。アダムスは、ドイツワインの海外でのプロモーションの責任者でした。これは13日付デカンター・オンラインが伝えたものです。

テロが起きたとき、私は出張中でした。連日アメリカ人と会議を継続していた私には、このテロに対してどう感じたと表現できませんでした。ひたすら犠牲者のことを考えて悲しかったのでしたが・・・翌日の彼らは、会議中、議題に集中できない様子がわかりました。頻繁に中座をリクエストし、本国の誰かと連絡を取り合っていました。私自身も複雑な心境で、実際には会議には集中できていなかったのです。こういったテロに対して憤りを感じずにはいられません。(H)