Topics&Columns(2000年11月19日)

寒くなりました。このホームページも開始より1年、トータルアクセスが12万を越えました。週間トータルアクセス数は6000です。

ボジョレー・ヌーヴォー到着!

ボジョレーヌーヴォーがきましたね。すでに試されましたか?

「君までボジョレー・ヌーヴォー?」と言われそうですが・・・お祭りですので、それはそれなりの楽しみをしましょう。深まりゆく秋冬、そして食欲の秋、ワインの秋を告げる風物詩、枕言葉ということでくだらない詩を三つ・・・

茶光り始めた大倉山 片手にヌーヴォー 紫にかがやく

ヌーヴォーの くったくのなき その味に
新たな気持ち よみがえる

お祭りと 新酒10本 並べて飲めば
味の違いは誰もわからず

おあとがよろしいようで・・・

かのドブッフのボージョレー・ヌーヴォーは当地のディスカウントストアであるダイクマでは1890円で売られています。ジャスコでは1980円でした。そしてDマートでは1680円と格安です。かつては3000円だの3500円で売られていたこともありましたので、それを考えれば安くなりましたね。ただ我々はよその国々では1000円以下で売られているという事は忘れないでおきましょう。

値段はさておき、先週もお伝えしましたが木曜日には、フランスから全世界にヌーヴォーのテイスティングの模様が中継されました。ワイン・スペクテータ―・オンラインでは、「地元の酒屋で入手できる」という事で、いち早くワインのレーティングが載せられています。そしてダイクマでも売っている。さらに鹿児島の私の田舎の酒屋でも売っている。

すごいとしか言いようのないこのマーケティングの威力。ワインは実は農産物なのに、これが世界中同じタイミングで、津々浦々で売られているのです。改めて考えてみるとこれ以上に驚嘆することがあるでしょうか?「ヌーヴォーは工業生産物」だと言ってもいいかもしれません。しかし同じタイミングで、これほどの量を同じタイミングで世界中で販売できたものはありましたか?ウィンドウズ95でも出来なかった。商業主義の権化としてヌーヴォーは君臨しつづけるのでしょうか?

ちなみに2000のボジョレーは、ヌーヴォーも含めて、天候に恵まれました。時として猛暑がありましたが、概して良好でした。熟成させた期間も長期にわたることができました。充実した深みのあるワインになっているようです。しかし私にとっては一年に一度しか飲まないワインですから、正直言いましてヴィンテージの違いなどは良くわかりません。(H)

いくつかの小さなニュース

(1)初めてのコルク栓ポートワイン発見

17世紀のオランダの沈没船から、緑色をした玉ねぎ型のボトルが見つかりました。コルクがしてあって、ワインが無傷というボトルの中では最も古い部類に入ります。アマチュアの海底探索者のハンス・イールマン氏が北海とオランダとの間で見つけたものです。この場所はワッデン・ジーと呼ばれていて、16世紀から19世紀の間の沈没船が500以上も眠っているところです。専門家によると「沈没船から発見されるコルク栓のしてあるボトルから99.9%はワインは抜けてしまっているのが普通」ようですが、「化学成分は、酸味が高く、アルコールは10.9%あった。ピンク色をしてマデイラのような味わい。多分このワインは最も最初のコルク栓のワインで、玉ねぎ型ボトルのワインでしょう。この型のボトルは1700年以前にはないと思われていたので、ワインボトルの歴史は書き換えられなければならないかも知れない」(オランダのワイン歴史家のルーセット・ファバー氏)との事です。

歴史教科書の書き換えは待った方がいいと思いますよね、日本でも変なことをする人がいましたから。ワイン・スペクテータ・オンライン11/15からお送りしました。(H)

(2)南ア ダイナース・クラブ ワイン賞

ダイナース・クラブ ワイン賞は、あらかじめ「このワインカテゴリー」と決められていて、あらかじめ候補となる生産者には用意をさせ、賞にエントリーしてもらい、競争させる。というコンペティションです。(と私には読めるのですが、間違っていたら指摘してください)で今回は「ポートタイプ」のワインがその賞の対象であったのですが、そのトロフィーは、南アのランズクルーンの1997年ヴィンテージ「ポート」を生産したポール・ド・ヴィリエに与えられました。ダイナース・クラブのワインアドバイザーのビル・クーパーウィィアムズ氏によれば「カリツドープの前衛的な生産者達は、フルーティな新世界ポートを確立しつつあります」といっています。この審査に参加したベン・ホーキンズ氏は「他の国々のポートに比較すると若いのですが、この10年間で驚く品質向上です」と言っています。同ワインは、以前SAA(スカンナジナビア航空)のコンペティションでトロフィーも受賞しています。この内容は、ANS(Africa News Service)からでした。URLは、http://library.northernlight.com/FB20001117400000154.html#doc

(H)

(3)クロ・フルテを買いませんか?

11/15付けdecanter.comニュースからです。サンテミリオンのプルミエ・グランクリュ・クラッセのクロ・フルテが売りに出ているようです。ワインメーカーでオーナーのリュルトン氏の一家はボルドーでは、他にもブラーヌ・カントナック、クリマンなどを所有しています。リュルトン氏は候補者に関しては口を硬く閉ざしていますが、どうもChラトゥールのオーナーのフランソワ・ピノー氏が有力視されているようです。(H)

(4)バブリーナパの象徴、誕生間近

ナパにAmerican Center for Wine, Food and the Artセンターが誕生します。あと一年後の完成予定です。約40億円が投じられ、約7000uの大きさで、ナパリバーの脇に誕生が予定されています。複雑で幾何学構造を多用したかなりゴージャスなもののようです。11/16付けnapanews.comが伝えています。いろいろと内容の紹介があります。詳細はこちら。http://www.napanews.com/napa/stories.nsf/ByDocID/D3809407E2B4F5E088256999006D2A5E?OpenDocument(H)

(5)マストロベラルディーノから新ワイン

マストロベラルディーノといえば、カンパーニャのタウラージで有名ですが、新たなワインはIrpinia Naturalis Histriaというワインで、アリアーニコ(85%)とピエディロッソ(15%)のブレンドです。前者はタウラージに使用されるブドウ、後者はラクリマ・クリスティに使用されるブドウで、アリアーニコより軽めです。2年間のフレンチオークでの熟成の後にリリースされるのだそうです。11/18ワインスペクテータ・オンラインからでした。マストロのタウラージも最近は高くなりましたよね。新樽の香りがぷんぷんしますし、近代的な造り方に変わってきたのでしょうか。(H)

シャンパンとシャンパンを目指す人

ボランジェが、1992Grande Anneeと1988エクストラ・エイジRDが発売されます。前者は7年間もの間、澱と一緒に熟成され、トースト、ナッツ、マッシュルーム、バターのフレイバー、そして筋肉質に仕上がっているといわれます。RDはスパイシーで酸味が強め、ボランジェの女性的なやさしいワインに仕上がっているそうです。これはブルームバーグ・オンライン11/18からでした。

そういったシャンパンをどうしても造りたいという人間がオレゴンにもいます。ジャック・バグデイド。本業は医師、しかし彼の心はスパークリングワイン造りにあります。1998年にワイナリーを起こし、3年目でキュベ・ディスカヴァリーを生産します。既に百万ドルを投資家から集めましたので、今年こそは何とかしっかりとした売上を上げることを目指しています。2,3年で利益をあげることが出来ようになれば、彼はオレゴン発のスパークリングワイン(だけの)生産者となります。ここからはMODBEE.COMの11/18ニュースから引用です。

要約引用:
オレゴンは今でこそピノ・ノワールで知られる地域ですが、コストがかかるシャンパンスタイルのスパークリングを生産することに関しては非常に慎重でした。バグデイド氏はこれを変えようとしているのです。しかし簡単でないことは百も承知です。全米でスパークリングに対する消費は下がりつづけていますし、オレゴンとはいっても酒屋に行けばカリフォルニア、フランスからのスパークリングを売っているのです。セント・イノセントのヴロサック氏によれば「スパークリングは、愛のための仕事で、金のための仕事にあらず」ということのようです。彼自身もスパークリングをかなり生産していましたが現在は10%以下に抑えます。しかしバグデイド氏は、品質がよく、正しい値付けで、正しいマーケティングであれば、オレゴンのスパークリングも成功すると信じて疑いません。「できると思っているので諦めません。ビジネスとして成功させます。オレゴンのマイルドな気候はシャンパーニュに似ており、ピノ・ノワールもシャルドネも良いものができる。スパークリングを造るのにはもってこいなのですよ」

バグデイド氏は、来年のリリースに向けてラベルのデザインをつめている最中です。短期的にはできる限りの数を販売し、その資金で新たな機器を買い入れ、自社ワイナリーで一貫して生産できるようになることを望んでいます。そしていずれは12000ケース程度の生産を目指しているのです。
引用終わり:

フランスのシャンパンハウス、オレゴンの新興スパークリング・ワイナリーのどちらにも頑張ってもらいたいものです。(H)

ピアース病対策―ガラス羽シャープシューターを減らせ

今週もいくつか情報が紹介されていました。日本でピアース病のことを心配されておられる皆様もいらっしゃるようです。まずはこの病気を媒介するガラス羽シャープシューターの生態についての研究データを入手されることをお薦めします。ガラス羽シャープシューターは日本で生息できないかもしれません。しかしカリフォルニアの状況を考えれば、極めて大きな問題に発展する可能性もありますので、ちまちまとやるべきではなく、オーストラリアのように、様々な可能性を考慮した産業ぐるみの研究体制をとるべきだと思います。下記のカリフォルニアの状況を考えれば、事の重大さがわかるのではないでしょうか。下記は様々なソースからの最近のダイジェストですが、メインはCalifornia Farm Bureau Federation の一連のシャープシューター・ニュース&インフォメーションとナパニュース・ドット・コムからです。

(1)あるパイロット・プロジェクト
カリフォルニアでガラス羽シャープシューターの生息数を減らすパイロットプロジェクトに、ベイカーズフィールドが選定されました。ここは13000エーカーの農園ですが、ピアース病の蔓延を防止することとガラス羽シャープシューターの増殖を減らすための研究が行なわれます。参加研究団体は、U.S. Department of Agriculture’s Animal and Plant Health Inspection Service and Agricultural Research Service; UC Cooperative Extension; California Department of Food and Agriculture; Kern County Agricultural Commissioner; and the Kern/Tulare Glassy-winged Sharpshooter Task Forceという事で要するに、地域組織、大学から政府組織までが参画してピアース病の撲滅に取り組んでいるわけです。

1月から2月までの害虫の越冬期間中に、どこにガラス羽シャープシューターが最も多く生息して―つまりピアース病の発生率が高くてということを突きとめるということ。そして他の植物生態系に最も影響が少なくなるような、殺虫剤散布のタイミングを見つけるということが目的の一つとなります。また例のメキシコからのスズメバチが放されて、どの程度の効果があるかも確認されます。この期間中の様々な対策でシャープシューター生息数をゼロにすることを最終目的としています。

(2)柑橘類にもご注意を
ブドウだけでなく、柑橘類、アーモンドにもシャープシューターは卵を残しますので、緊急の条令が制定されています。これは日本でも要注意なのかも知れませんが・・・各郡と郡との大量の柑橘類の「生での」移動は制限されています。これは大量に果物のままパッキングすると、場合によってはシャープシューターが箱の中に生息しているかもしれないためです。10月26日にカーン郡の果物パッキング工場でシャープシューターが付いているのを発見して以来、10数匹のシャープシューターが既に発見されました。ブドウの場合は、とくにカリフォルニア南部から北部への移動に関しては厳重にチェックされます。

(3)ナパの殺虫剤散布主義
ナパ郡は先先週、外部からの搬入される苗木には全て特定の殺虫剤を施してよいということを決定しました。環境団体のシエラ・クラブの代表は「基本的にはどこにでも殺虫剤をばら撒くということだ」としていますが、郡の農務局のほうは「当然殺虫剤散布の前には、他の手段もとった上で」としています。誰が殺虫剤の金を出すのかについては未決定です。

(4)遺伝子操作主義
UCデイヴィスの研究者は、ナパ・バレー・エクスポの中で「今はシャープシューターをどうするのかということに焦点があたっているが、病気のコントロールに焦点を当てるべき」と述べています。これは遺伝子操作でピアース病に強い木に変えるということを示唆したものです。「遺伝子操作は効果的だし、長期的な解決方法でもある、ピアース病に強い品種との交配よりもずっと安全だ。倫理的な問題があるとは思えない」と述べています。

上記は最近の動きです。http://www.cfbf.com/gwss.htmにアクセスしてみて下さい。写真が出ていますので、どんな昆虫かがわかります。2cm足らずの虫だそうですが、カリフォルニアはこの虫の退治に上や下への大騒ぎです。これが万一日本に入り込んでくることになりますと、零細な果実園は瞬く間につぶれてしまうことになるでしょう。今のうちから対策をお願いします。

カレラ・ワイナリーは、シャープシューターの北上の経路にあたるわけですが、先日のジェンセン氏の話では「影も無い」でした。しかし「えらい怖い。あれがきたら全て終わり」との事でした。(H)