Topics&Columns(2000年11月12日)
いよいよ寒くなってきましたね。そしてワインの方は11月第3週目に入り、年に一度のイベントのシーズンがやってきます。
ボジョレー・ヌーヴォーだっ!
近鉄ワールド・エクスプレス(KWE)は、今週の木曜日に合わせて、3つのジェットをチャーターしてボジョレーヌーヴォーを日本に運ぶと発表しました。内2つのフライトは大阪着で、残りは成田着です。総重量110トンで、11月9日に既にフランスを飛びたち、日本に到着している模様です。近鉄が今年中に日本に運ぶボジョレーヌーヴォーは1500トンで、うち1200トンはサントリーが輸入するものです。近鉄が運ぶ量は昨年の700トンの約2倍ということになります。これは11月7日にロイターが伝えたものです。なかなかやりますね近鉄サンも。
もうひとつ、私がここに書くのを「馬鹿らしい」といってためらった話が、現実のものとなってきました。これはブルームバーグ・ドット・コムが11日に伝えたニュースです。その話というのはこれです。
MTV(MusicTV)のホストで、スーパーモデルのモリー・シムズが「ハウス・オブ・スタイル」という番組の中で、ジョルジュ・ドブッフと、ボジョレー・ヌーヴォーのボトルをオープンし、そしてテイスティングを行なう模様を中継します。その番組の中には料理も添えられ、メアリー・マリガンなどの評論家も登場しするようです。この中継はフランスとアメリカの多元中継で(もちろん日本はそれ以前に16日木曜日になりますが)、アメリカの国民が実際に飲める時間より以前に、ヌーヴォーの「素晴らしさ」をたたえるというものです。
フランス時間の11日の真夜中に行なわれるので、アメリカの東海岸では15日の夕刻にこの番組を見ることになり、この番組を見たアメリカ人は、翌16日にはドブッフを買いに出かけるというシナリオです。先が完全に読めたマーケティングで、それがゆえに私としては、あほらしくて、わざとらしくて、そこまでやるか?という感じで気に入りませんでした。そこまでやるのか?(H)
いくつかの小さなニュース
気が早いと言えばそうなのですが、実は南半球では既に2001年ヴィンテージは始まっています。11・9日付けワインプロニュースでは、ジェームズハリデーが書いています。「オーストラリアでは、ある場所で開花が一定でなければ他の場所でもそうだし、実をつけるタイミングが揃わねば、他の地域でもそうだし、もし収穫が大きければ他の地域でも収穫が良い可能性が高い」だそうです。しかしサウス・オーストラリアと西オーストラリアとでは違うと思いますがね・・・。いずれにしても彼によれば「今のとこは萌芽のタイミングは驚くほど一定している」とのことです。(H)
読んでそのとおりの話です。コンチャイトロといえばチリと相場は決まっていましたが、今後アルゼンチン産のコンチャイトロが登場してきます。同社は既に1.5百万ドルを投じてメンドーサ(アルゼンチンで最もワイン産業が盛ん)にすでに土地を買っていますが、まだ新たに投資して全体で450ヘクタールの土地を購入するようです。コンチャイトロは、実はアルゼンチンが輸入するチリ産ワインの54%を占めているようですが、2000年は80%まで増量することを目指しているようです。SABI(South American Business Information)11/10ニュースよりお伝えしました。(H)
「BASF」というのは、われわれ一般庶民が良く知っているところでは(ちょっと古いかもしれませんが)録音用テープですが、ドイツの大手化学メーカーです。このBASFから新たなF500という殺虫剤が発売されます。このニュースはBASFが発表したものをヤフーファイナンスが11・6に伝えたものです。このF500は「これまでのどの殺虫剤よりも生物学的に毒性が低く適用が広い。世界的に普及することになると信じている。ピーク時には年間3億EURO以上の売上を見込んでいる」とBASFの社長は語っているようです。私は農薬の市場規模がどの程度か知りませんが、一つの製品でこの規模の売上を予測するということは、薬も社長も相当のもの?
実はオリンピックの夢の後が続いているのがオーストラリアなのですが・・・メルボルンで開かれたラングトン・クラシフィケーション・ワインオークションの話です。
目玉は、ペンフォールズのグランジの1951から1995までのフルセットで、45本のうち38本は、グランジの生みの親であるワインメーカー、マックス・シューベルトがサインを入れたものです。提供者側は、このセットに対してはおよそ9万USドルを期待しているようです。このオークションは11月25日にひらかれます。デカンター・ドット・コムからでした。
(ところで先日のクリスティーズの東京オークションではロマネコンティがやはり高値をつけましたね。全てケースで売却されたようでしたが、トップ10はヴィンテージ違いのロマネコンティ、次にペトリュス、そしてラ・ターシュだったようです)(H)
そのものです。そしてこれは日本の話。ビールは350mlで25円税金を下げる、そしてモルトが25%以下の発泡酒については16円税金を上げることを考えているようですね。大蔵省は。ワインに関してはどれぐらいを考えているのでしょうか?11月3日の共同通信ですが、日経に載っていましたか?だとすると私は見落としました。ひょっとすると、あの亡き小渕サンの経済再生委員会とかなんとかいうブレーンの仕業でしょうか。あれにはアサヒの樋口さんが入っていましたよね。最近になってアサヒも「発泡酒」を出すと発表しましたが、そのちょっと前までは「発泡酒はださん」と言って頑張っていたのです。そうだ、これは樋口さんの口利きに違いない。(H)
アメリカ人はカリフォルニアワインを飲む
あたりまえに聞こえるでしょうが、これはあたりまえではないのです。といいますのは、少なくとも東海岸の人々はつい数年前までは、「ヨーロッパの方が近いし、品質が高い」といってスノビッシュ?な人々はフランスワインを飲んでいたのです。そこで最近はアメリカ人は最近はカリフォルニアワインを飲むようになってきたとナパ・ニュースは伝えています。
「調査会社のモット・クリラ&フィッシャー社によれば、過去5年間の間にアメリカでのカリフォルニアワイン消費量がほぼ倍増した(2.6本から4.6本、ただし3ドル以上のワイン)。全米での消費量が20%(6.9本から8.4本)しか伸びていないにもかかわらず、これは大きな伸びといえる。大人一人あたりのカリフォルニアワイン消費金額も94年の35ドルに比較して、99年には64ドルになった。消費量全体が伸びたのは、現在アメリカが歴史上最大のワインブームにあるということと、ベビーブーマーが現在のマーケットの主役になってきたというのが最も大きな理由。今後15年ワインマーケットのけん引役となる。カリフォルニアが伸びてきたのは、その他のワインに比較して品質が相対的に向上したからである。」
しかしまだ、他国からのワインは全消費量の半分は占めているということですね。別のレポートにありましたが、今やアメリカは、イギリスを抜いてオーストラリアワインの最大の輸出国でもあるのです。アメリカの場合は好景気とワインブームとが重なっているということで、他の物品、嗜好品への消費も伸びている中でのワインブームなのです。健全といえば健全ですよね。日本のあのブームはどこにいったのか・・・(H)
ヴァランドローは「テーブル・ワイン」
要約引用:
INAOは2000年のヴァランドローをAOC格外ワインと決定しました。これはジョン・ルーク・テュヌヴァン氏が、ブドウの木の袂にビニールシートを敷いたためです。テュヌヴァン氏は「これはブドウが水分を吸ってしまわないための雨よけだ。わたしはテーブルワインでもヴァランドローは、メドック一級よりも高い値段で売り出すつもりだ」としています。このINAOの決定はローヌ、ロワール、アルザスではビニールシートを禁止してるためにこれにならって行なわれたものです。またINAOは旅行者達にこの畑を見せてはならないという決定も行ないました。このケースはヴァランドローが最初ではありません。ミシェル・ロラン氏のChフォントニルでも同じでした。ロラン氏は「AOCの規制は厳しすぎるし、あまりに(ブドウ栽培方法について)介入しすぎる。それにビニールシートをしても、効果が出るまで3年はかかるのだ」としています。他にもビニールシートを使った人物がいます。Chトゥール・ドゥ・ミランボのジョン・ルーク・デパーニュで、彼は「結果には満足しています。とくに昨年は雨が続きましたからね」と述べました。
引用終わり:
上記は11・3付けデカンター・ドット・コムのニュースからです。シャトー・ラグランジュで、水はけをよくするために溝を切りなおしたという事実はどう判断されたのでしょうか?当然何も無かったですよね。土壌改善のために貝殻を入れて畑をほじくり返すというのはどうなのでしょう?自然主義ということに関しては私は完全に同意しますが、ルールの適用が一様でない、納得性がないというのは同意しかねますね。ボルドーでもやはりテーブル・ワインあるいは「スーパー・クリュ」が席捲してくるのでしょう。(H)
シャンパンハウスが犯したミス
昨年は「2000年の夜明けをシャンパンで!」などとシャンパンの大売出しが行なわれました。皆さんのご記憶に新しいと思いますが、そのシャンパン、今年は売上予測を大きく下回ります。11・7日のデカンター・ドット・コムとフォックスニュース・ドット・コムが伝えたものですが、イギリスではいまだに昨年仕入れたシャンパンの在庫が売り切れずに大量に残っているそうです。二つの記事をまとめますと次のようになりましょう。
「Comite Interprofessionel des Vins de Champagne
(CIVC)の広告担当のデヴィッド・ラーセン氏によれば「昨年はクリスマス商戦で、前年比15〜20%の大幅な売上増を見込んでいたのに、たったの2%しか伸びなかった。シャンパンメーカーは、シャンパン風呂にでも飛び込む人もいるだろうと思っていたわけですよ。だが、そんなことがあろうはずが無い。殆どいつもと同じように家で静かにすごしていた。そして今年のシャンパンの注文は、8月までで昨年に比較して45百万本を下回っている。完全にバブルがはじけたという感じですよ」とのこと。ローラン・ペリエなどでは株価が今年27%も下落しました。イギリスの大手スーパーのセインスベリーでは、今年始めに自社ブランドのシャンパンを半額にしたりして在庫整理に躍起になりました。調達担当のダイヤー氏は「1999年はベストの年、そして2000年は最悪の年になりました」とのこと。マジェスティック・ワインのアプトープ氏曰くは「シャンパンを飲まない人々が、ミレニアムだからシャンパンを飲むなどと考えたスーパーとかの連中が間違ったのさ。今年なんかは売り切りセールになるから消費者にとっては最高の年だろうね。もちろん生産者にとっては最悪さ」
日本はどうなのでしょうね?しかし大きな高波の後は大きな引き潮。あたりまえの話です。津波は引くときにも大きな力があるのですよね。人類が作り出した経済原理がどこまで自然の摂理と対抗できるか?などと大げさなことを言うつもりは全くありませんが・・・(H)