Topics&Columns(2000年11月5日)

先週初めにこのHPへのアクセスカウントをチェックしたら、驚いたことに累計で11万を超えていました。今年の春には毎月のアクセスは1500程度だったのですが、最近は週のアクセス数が4000を越えるぐらいになってきています。まだまだ少ないといえば少ないのでしょうが、自分的には多いという印象です。これまで自分の好みで世の中にあふれ出てくる情報とコメントをご紹介してきておりましたが、そうでもいけないのではないかと思っている次第です。それとも何かの陰謀か、単にアクセスカウンターの故障か、はたまた単に読み違えたのか?

ジョシュ・ジェンセン氏来日

11月5日、「カレラを愛する会」がジェンセン氏を招いたディナーに参加しました。たまたま通路をはさんで隣の席にジェンセン氏の横に座らせてもらえましたので、他の人がした質疑応答も含めて、いくつか話をすることが出来ました。ジェンセン氏は2、3時間前についたばかりということでお疲れの様子でしたが・・・

Q:現在のワインメーカーについて
A:ベリンダは昨年の今ごろニュージーランドに戻った。いまはテリー・カルトンという人物がワインメーカーをやっている。オレゴンにいた人物。すごく優秀だ。しかしもともと私が何でも見るからね・・・ベリンダはニュージーランドのマーティンボローで新たなワイナリーを起こそうとしているところのようだ。NZの原住民が使っている言葉で考えもつかないような名前のワイナリーだったよ。マディー・スワンプとかなんとか・・・その他のスタッフは変わらないで元気だ。

Q:ラベルを変えた理由はどうして?
A:前のラベルでは、「マウント・ハーラン」というAVAの名が小さすぎて見えないという話があったために、これを改善すべきだと思った。新たなラベルに対しては2/3は賛成、1/3は反対という感じだった。(中川プラニングの井上さんはセントラル・コーストとエステートとは変えた方が良いのでは?という提案をされていました)

Q:今年のワインの出来はどう?
A:先週収穫を終えた時点での判断としては、極めてよいと言える。色が非常に濃い。1999年はフルーティーな感じだったが・・・

Q:他のブドウは考えないのですか?
A:われわれのように小さなワイナリーでは、多品種を生産するのは無理で、せいぜい今のラインナップが最大限できるもの。Ch.ディケムは一種類しか作らないだろう?

Q:アメリカのワイン世代というのは?
A:アメリカでは若い人がワインを飲まない。飲むのはせいぜい50代以上だと思う。だから消費人口が少ない。日本では若い人たちが良く飲むようだが。これからのアメリカのワインを支えていくという意味で若い人にもっと飲んでもらいたいね。

Q:オークションに出れば、ニュー・エコノミーの若い人が買うのではないですか?そういえばオークションには出ないけど?
A:たまにチェックをしているけど、確かに出ない。オークションハウスであるバターフィールドのブルース・カイザーによれば、「出ないということは皆が楽しみで飲んでしまう、あるいは売りたくないということだから、それは良いことだ」ということのようだけれども、どれぐらいの値がつくかは見てみたい気はする。

Q:アラバマでのワイナリーの話は?本には書いてあったけど。最近のどこかの記事にやっているというのがありましたが。
A:今まで実際にやろうとは考えたことがない。いや、ただ売るだけではなくて、何かもっとやりたいというような話は提案されるのだが、「そうだね」と答えるだけで具体的には何もない。大きなマーケットには遠いし、それにワイン産業自体が無いからゼロからやろうとするのは大変だと思うね。

Q:Eメールは相変わらず見ないのですか?息子さんとやり取りをしているというのは知っていますよ。
A:そうなんだけど。3ヶ月に一度しか見ないよ。だからそのアラバマの記事などはファックスの方がありがたいな。そうでないとせっかくの情報も意味が無いんでね。(これはけん制でした)

Q:寿司ネタでは何が好き?その他の日本料理は?
A:うなぎがいいなあ。寿司でなかったらテンプラは好きだな。

まだまだ皆さんいろいろな質問をされていたようで、ジェンセン氏は皆さんの熱意にいたく感激していたようでした。今後東京と大阪でテースティングをやるそうです。11月6日のディナーは寿司だそうです。

あ、それから「ジンセン」ではなくて「ジンセン」ですのでお間違えなきよう。どうしてこう呼ぶようになったのだか・・・(H)

いくつかの小さなニュース

(1)アデレード・ヒル・ワイン・ショー

アデレードというのは、オーストラリアで最も有名なワイン産地であるバロッサ・バレーがある州、サウス・オーストラリア州の州都です。アデレード・ヒルは確かアデレードの東部にあたるワイン産地であったと記憶しています。11月3日と4日に開催されました。11/01ワインプロワイン・ニュースからお送りしました。メダル、トロフィーの情報はまた次回載せられるでしょう。(H)

(2)あるワイナリーを巡る放火と殺人

テネシー州のモンテイーグル・ワイナリーで起きた火事の件で、アルコール・タバコ・消防省は、放火としました。オーナーが同日ワイナリーから30分ほど離れた場所で殺害されましたが、所持品は盗まれていませんでした。警察はいずれもビジネスから締め出そうとした人間の仕業として、放火と殺人の関係の可能も視野に含めて調査しています。ナパで起きたら大変な話題になったと思います。11/01テネシー・ドット・コムからお送りしました。テネシーという割と奥まったところではありますがワインビジネスも命がけ?

(3)EUに新たなワイン栽培地域

EU内で、新たなワイン栽培が可能な地域が設定されました。呼称が設定され、地域が限定されているEUでは極めて珍しい判断ですが、新世界ワインの流入を防ぐためにも新たなワイン栽培地域を認めようという判断です。特にイタリアでは全土で12,933ヘクタールの造成が認められ、シシリー:1648、プーリア:1451、ヴェネト:1367、ピエモンテ:1293、トスカナ:1269、エミリア・ロマーニャ:1050などが新たに割り当てられました。この内容は10/17付けのワインプロ・ニュースからですが、この記事を書いているフランコ・ジリアーニはこう締めくくっています「栽培が自由な新世界に本気で対抗しようと思うのであれば、古い統制のやり方を変更しなければならないということについてはまだ理解できないようだ。」

(4)ピノ・ノワール2001コンファレンス

というタイトルのコンファレンスが来年1月25日から28日までの期間ニュージーランドのウェリントンで開かれます。ジャンシス・ロビンソン、ロベール・ドルーアン、ハーヴィー・スタインマン、ジム・クレンデネン、デヴィド・グレイヴズ、ジャンピエール・ド・スメなどが参加します。いいですよね、ピノ・ノワール好きには行ってみたいコンファレンスです。(H)

カリフォルニアの収穫は本当のところはどうなのか

10月初旬以降カリフォルニアでも収穫が進んできて、ほぼ収穫時のブドウの状態による今年のワインの予想が出揃った感じです。レポートは様々なものがあります。

「北部カリフォルニア、とくにソノマでは日照量、温度が十分でなくシャルドネの熟成は一月遅れた。全体的には期待薄。またソノマ以外でも収穫量は多かったが、どれぐらい実際のワイン造りに使用されるか、つまりワインの生産量は増えるかどうかはわからない。」と伝えたのは、10/25付けのLATimesです。

「『良い年というのは割に退屈なものです。雨もあまり無く、暑すぎもせず、寒すぎない。ただ静かだった』とオークヴィルのグロス・ヴィニャードのデニス・グロス氏は述べた。歴史的なヴィンテージであった1997年に匹敵する出来かもしれない。これはワイン・インスティチュート会議でのコンセンサスでもあった。」と伝えているのは、10/29付けのmodbee.comです。さらに、

「激しい嵐がカリフォルニア西海岸のメンドシーノからサンタ・バーバラまで吹き荒れ、10月26日をもって収穫作業は終了せざるを得なくなった。90%程度は既に収穫を終えていたので良かった。しかし、ソノマの冷涼な地域のシャルドネ、同じようにナパでも冷涼な場所でのカベルネ・ソーヴィニョンは十分に熟成しなかった。」と10/27のワイン・スペクテータ・オンラインがレポートしています。

一口にカリフォルニアと言っても、日本ほどに長い州ですので、それぞれの地域で幅があるはずです。上記のmodbee.comの記事の中ではそれぞれの地域のワイナリーにインタービューを行なって、収穫時の模様をすこしづつ述べているので紹介します。

  • サウス・セントラル・コースト=「バランスよい収穫、歩留まりは高い、ブドウは大きい、複雑で、濃縮したワインとなるだろう(ジャスティン・ワイナリー)」
  • 南部・カリフォルニア=「生産量が多い。冷涼な7月、暑い8月中旬を経て、例外的によい収穫(ガリアーノ・ワイナリー)」
  • シエラ=「収穫は10日遅く始まったが、雨のせいで影響のあったブドウもある。逆に収穫時の気温が高かったためにジンファンデルの中には収縮してしまった果実もあった(シェナンドー・ヴィニャード)」
  • モントレー=「収穫は完璧から程遠い。赤い果実が相当量木に残っている。モントレーの稼ぎ頭のシャルドネは色も香りも深く、ベストヴィンテージだ。サリナス北部からのピノ・ノワールは素晴らしいでき(デリカート・ヴィニャード)」
  • ナパ=白と薄い色の赤については大丈夫。カーネロスとかスタグス・リープの多くの造り手たちは、カベルネ・ソーヴィニョンにフレーバーが載ってくるのを待っているようだ。いずれにしても赤は昨年より糖度が低いレベルで熟成した(ジョセフ・フェルプス)」
  • ソノマ=「シャルドネとソーヴィニョン・ブランに関しては、非常に良い。メルローは色は薄いが果実分は非常に良い。長く冷涼な開花のためにジンファンデルは期待薄。房の中にはピンクの粒、酸度が高いものからレーズンになりかかっているものが混在している(ドライ・クリーク・ヴィニャード)」
  • メンドシーノ・レイク=「今年は極めて順調だった。害虫も殆ど発生しなかった。シャルドネの生産量は多い(マクダウェル・ヴァレー・ヴィニャード)」
  • サンフランシスコ・ベイ=「殆どのブドウは収穫済み。サンタクルズの冷涼な気候では長期に熟成させなければならないカベルネ・ソーヴィニョンだけはまだ(クーパー・ガロッド・エステート・ヴィニャード)」

これらを総括すると、つまりカリフォルニア全土で結構涼しい年だったので、非常にばらつきのある年なのだろうと思います。日当たりが良く、気温の高かったエリアのエステートワインであれば期待できるが、それ以外ではあまり期待は出来ないということではないでしょうか。(H)

 

アメリカのおもしろワイン

アメリカの話を続けます。

引用要約:
訪問者達は、濃厚な甘ったるい香りに誘われてブリアント・ヴィニャードの事務所から畑の方に出てくる。そこには山と詰まれたブドウがあった。

10月のある日、収穫作業はすでに佳境にさしかかり、ブリアント家の人々は、最後の刈り入れに精を出していた。二組の夫婦は、ブドウの木を揺らしてブドウを籠の中に落としたかと思えば、次々に木と木の間を移動して、小屋の方へ進んできていた。小屋では、全く色気も何も無いちょっと太目の女性が、大きな桶の中に入ったブドウを踏みつけている姿があった。

これは、カリフォルニアの光景でもフランスの光景でもない。これはアラバマ州タッダデガ郡での光景なのだ・・・
引用終わり:

という書き出しで、アラバマ・ライヴというサイト(http://www.al.com/news/birmingham/Oct2000/28-e421805b.html)に載っておりました。アラバマ州というのはどこにあるかご存知でしょうか?アメリカ南部で、ニューオーリンズのあるルイジアナ州のとなり、確かカリブ海に面しています。そこでワインができるという話です。

この記事によりますと、ブリアントと言ってもカリフォルニアのブリアントとは無関係です。5エーカー程度の畑から25000本のワインを生産するようですが、ブドウは「ミュスカディン」というもので、ヴィニフェラではなく、この地域の土着の品種です。ジャンシス・ロビンソンの「コンパニオン」によりますと、あまり糖度はあがらないようですが、このブリアント氏が生産するワインは甘口です。70〜80の品種を試したようですが、最終的に製品にするために、この土着品種とあと2,3の品種を栽培しているのです。驚いたことに彼の生産するワインは、いくつもの受賞をしているのです。現地でしか売られていないようですが、1本当たり7ドルから9ドル程度だそうです。

アラバマという州でのブドウ栽培は、カレラワイナリーのジョシュ・ジェンセンも考えた事があるという理解をしていたので、一番最初にしたような質問をしたのでした。(H)

シャトー・パルメの新たなセカンド・ワイン

シャトー・パルメは現在レゼルヴ・デュ・ジェネラルという名のセカンドワインを出していますが、これに代わるセカンド・ワインを販売すると発表しました。その名は"Alter Ego" 「アルテ・エゴ」と言います。レゼルヴの方は単にChパルメとしてふさわしくない樽落ちのワインでしたが、アルテの方はパルメのスタイルを保ちながら、早熟しそうな樽をこちらに使っていくという事のようです。開発・マーケティング・マネジャーのド・モー氏によれば、「最も重要なことは、テロワールを表現しているということ」と述べています。初ヴィンテージの1998は9000ケースが製造されました。値段はChパルメの140ドルに対して、アルテは50ドル程度が予定されています。ネゴシアンのマーハー・ベスによりますと、(多分1998の)Chパルメの生産量は、12000ケースで10年前の約半分という事です。以上10/31付けワインスペクテータ・オンラインから要約してお伝えしました。ラベルの写真はこちらです。http://www.winespectator.com/Wine/Spectator/_daily|news1036

「アルテ・エゴ」はラテン語で「親友」の意味です。さてChマルゴーでは、サード・ラベルを出すらしいです。Chパルメにしろ、Chマルゴーにしろ、新たなラベルを導入するという背景には、一つには現在のワインの値段が上がってきたために、一般大衆が購入できる値段でワインの提供を行なう必要が出てきたというマーケティング上の理由でしょう。今の値段は高すぎます。シャトーパルメが140ドルなどというのは信じられないという感じです。20ドルで売っていたのはつい最近です。

ただマルゴーとパルメのやり方の違いは、パヴィヨン・ルージュは成功しているが、デュ・ジェネラルは結果的にあまり成功していないという状況によるものだと思います。「樽落ち」というのは事実上、ボトリングの段階で出来すぎている=早熟すると考えられるワインのはずですので(間違っていましたら教えてください)、アルテとジェネラルに入るものは同じでは無いかと思うからです。中身が同じであれば、ブランドやイメージを変えて新たなポジショニングで販売したいというだけですから・・・パルメではブドウを収穫場所ごとに41にわけているのですが、結局最終段階で混ぜ合わせるというのであれば、そうそう中身は変わらないような気がしますが・・・。(H)

イギリスのワイン

興味ないよー。とおっしゃらず。以前もお伝えしたことはあったと思いますが・・・いや気のせいかもしれませんが・・・イギリスのウェールズ州では実はブドウ栽培は盛んなのです。えーっとおっしゃるかもしれませんが、向こうから「日本でブドウを栽培している」事実について言わせれば「冗談だろ」というのではないでしょうか?

規模は別にして、イギリスには8世紀からともローマ時代からともいわれますが、ブドウは栽培されつづけています。ただ16世紀以降低迷し、第二次大戦後にようやくまた商業ベースのワインの生産が行なわれるようになりました。現在は1000ヘクタールを越える栽培地があると言われ、ワイナリーの数も380が存在すると言われます。始めはフランスが進んでいたこともあって、フランス式のワイン造りを行なっていたようですが最近はドイツ式に変わってきています。気候的には極めて湿度は高いといわれつつも、栽培は広い間隔(2m)間隔で植樹されたダブル・ギヨかダブル・カーテン方式が中心です。品種はといえば、ミュラー・トゥルガウが最も有名な品種で、マドレーヌ・アンジュヴァイン、ライヒェンシュタイナー、シェーンブルガーなどマイナーな品種です。約1/3がEUのクオリティ・ワインに認定されています。このパラグラフは ”Exploring Wines & Spirits”, WSET と10月22日付けサンデータイムズを参考にしています。

また上記のサンデータイムズの中には21エーカーを持って年間1万本を生産しているというダマー・ファームの話が紹介され「最初はブドウ栽培については何も知らなかったけれども、ガーデニングの知識が多少なりともあったので何とかやっています」というコメントがあります。このファームは、なんと年間6000もの訪問者を受けなければならないということで大忙しとのこと。近辺には売り出し中のブドウ畑もあるようです。全部の記事を紹介できませんが、古い産地ながらもラーニング中の大勢のニワカ栽培師がいるようです。

日本に住んでいたある友人もウェールズに戻ったのですが、彼のうちにも小さいながらもブドウ畑があるそうで、結構皆さん「楽しみながら」ワイン造りを楽しむのだそうですよ。どういった理由で日本ではワイン造りは禁止なんでしょうか?(H)

「抜栓代」

一般に抜栓代というのは、ワインをレストランなどに持ち込むときにレストランからチャージされる代金です。抜栓代と呼ばれる所以はあまりわかりませんが、グラス代、文字通り抜栓代、サービス代、それにレストランのワインの在庫コストなどがその費用の内訳ということでしょう。レストランによって様々で、ボトルの数にチャージする場合もあれば、人数によってチャージする場合もあると思います。これもレストランによると思いますが、別に一人あたまの「サービス料」というのを払わせている場合には、基本的にはボトルの数にチャージされるべきものではないかと思います。

で、今日はナパの話です。サンフランシスコ・ゲートの11/1付け号からの紹介です。

引用要約:
ヨントヴィル(ナパのほぼ中心部といってもよいでしょう)にあるトーマス・ケラーズ・フレンチ・ランドリーは、顧客にたいして抜栓代を30ドルから50ドルに引き上げると発表して議論を呼んでいます。その理由の一つには、ワインスペクテータの「ベスト・レストラン」のレーティングで、シカゴのトロッターズに僅差負けたことに理由があるかもしれません。その原因は料理ではなくてワインリストだったのです。ケラーズはそれ以来スタッフを増やしたのです。ケラーズ自身はワインスペクテータのレーティングとは無関係だとしていますが、こう述べています。「うちには座席は62しかないので、一席から本当に十分な財源を得るということが極めて重要なのです。いつでしたか一晩で47本のワインが持ち込まれたことがあったのです」

またサン・フランシスコのレストラン、ルビコンでは15ドルしかチャージはしませんが「顧客の皆さんには私どもの利益に関しても少しは感心を持っていただきたいです。全体として10%程度なのです。ですからあまりやっていただきたくはないのですよ」他のレストランでは、フルール・ド・リスが30ドル/本、マサズが持ち込み2本までで30ドル/本です。

ただし常連とか業界の人にはどのレストランも別の料金があるようです。
引用終わり:

上記はあくまでバブリーアメリカの話で、日本ではありませんが、話を聞けば私ども消費者としても「そうかなるほど」と思わざるを得ないですね。レストランの採算が取れなければ、レストランそのものが無くなってしまいますから。しかしそれでもタダに近ければ近いほど良いと思うのは消費者のワガママともいうもので・・・。(H)

オーストラリアにもピアース病?

2000年のカリフォルニアワイン業界に震撼をもたらした病気と言えば間違いなくピアース病であり、それを媒介するガラス羽シャープシューターの存在だったわけですが、来年こそは業界をかけた天下分け目の?人間と害虫との大戦争(大げさか?)の年になるわけです。

そして今度はオーストラリアでも・・・ということではないのです。ただ万一の対策をしておきましょうと、ワイン業界、学術界が動き出したという話題です。というのも、ガラス羽シャープシューターの好きな樹液にはユーカリが含まれるからで、万一この害虫がオーストラリアに運ばれてくるようなことがあれば、ユーカリがどこにでも存在するオーストラリアでは、間違いなく全土に広がる危険性はあります。アメリカから運ばれてくる植物の検疫の中にピアース病の検査も入りることになりました。

さて、カリフォルニアの方ですが、相変わらず様々な報告が出てきております。キャラウェイ・ワイナリーは、ロング・ビーチからサン・ディエゴに広がるブドウ畑が死滅するため、移転を始めました。そして、この冒頭に書きました「大戦争」という言葉が実は大げさではないということを示す発言が、ピーター・シゲイシオのこの発言です。「理論上、もしソノマかナパで、新たなピアース病のキャリア(ガラス羽シャープシューターのこと)が越冬できるとするならば、生産者としての我々の生涯は終わりをつげる」(http://www.miamiherald.com/content/today/living/food/digdocs/002702.htm)。

ガラス羽シャープシューターはなかなかダイ・ハードで、フルーツ業界を悩ましていますが、一方のダイ・ハードな人々は環境主義者です。ガラス羽シャープシューターの撃退法には殺虫剤を散布の方法がありますが、環境主義者達は反対しています。緊急に制定されようとしている居住区での殺虫剤散布条例案に対して「ピアース病もガラス羽シャープシューターも健康には影響を及ぼすことは無いが、殺虫剤は健康に被害を及ぼす。ワイン業界は状況を大げさに判断しているし、他の手法も考えられるべき」として反対しているのです。ワイン業界の人数に比較して環境主義者の数は圧倒的に多く、この条例案に関しては成り行きがわかりませんが、サクラメントでは11月21日に結果が出ます。

上記の情報は11/1付けワインプロ・ニュース、10/29付けソシアルネット・ドットコム、10/27付けナパニュース・ドットコムに基づいています。個人的には環境主義者の言うことは尤もだと思います。もっと良く話し合ってください。

ピアース病に関しては、まだまだいろいろな情報はあるのですが、ちょっと紹介しきれない数になっています。2001年の成り行きが心配ではあります。日本でもオーストラリアのような防護的対策は要りませんか?(H)

ボトルリサイクルに乗り出したガロ

いつでしたかカリフォルニアの(本日はカリフォルニアの話題が多いのはお許しください)リサイクル法についてご紹介したことがあったかと思いますが(いや気のせいかもしれませんが)、ガロはウェイスト・マネジメント(WMI)と組んでボトルのリサイクルにのり出しました。WMIは全米最大のゴミ処理(といっては聞こえが悪いですが)業者です。

今回発表した内容は、Container Recycling Alliance(CRA)というWMIの子会社が、2月にガロが回収する年間およそ160000トンのビンを洗浄する能力を持つ施設を設置するというものです。時間当たりに直すと25トンです。このプロセスはセラミックのような強固な物質までいかなる物質も洗浄し、透明、ブラウン、グリーンの3種類の色も識別するプロセスだそうです。

回収され洗浄されたボトルは、再度ワインやスパークリングワインの容器として使用されるようです。ガロはCRAに対して一定量の使用済みガラスを提供し、洗浄後のガラスを引き取る義務を持ちます。

この内容は、11/2付けのヤフー・ファイナンスを元にしています。

さて、書き出すとえらく重くなりそうな気配がするのですが・・・アメリカでは、ゴミ処理は民間が行なっています。行政がゴミの排出量を制限する条例・法律を制定しますと、その行政の橋渡しでもって民間の一般市民、業者が協力してゴミ処理、リサイクルのルートを作り上げるのです。今回のガロの発表は、ワインのボトルを「リターナブル」にするようにした、つまり日本のビール瓶のように、生産者が回収して、再度生産ラインに載せるようにしたということで、非常に画期的なことなのです。

日本でもワインのボトルについては、一昨年から昨年までのブームで、その裏話としてマスコミに取り上げられるようになったわけですが・・・ダメですねー日本は、問題のしてきがなされるだけで何も進んでいないではないですか。「夢の島はもういっぱい、もうゴミ処理の施設がない」といいつつも、手をつけられない日本の行政に情けない思いがします。言い訳は予想できるので聞きたくもないです。

いまやらねば後世にその処理を残すだけで、残されたものにとってはいい迷惑です。あとでできればまだしも・・・今のうちに考えることが大事だと思うのですが。ワインを飲むだけでいいのでしょうか?あー、重い。こんな終わり方をすると読者が逃げるだろうか?あー、つらい。(H)