Topics&Columns(2000年10月22日)

先週は家を空けましたため、休刊とさせていただきました。

国際ソムリエコンクール

10月7日に行なわれましたソムリエコンクールについての話がいくつかのウェブで紹介されていました。

モントリオールで開かれました第10回国際ソムリエコンクールでの最終選考者は4人で、カナダ人のアケン・ベランジェール、フランス人のオリヴィエ・プシエール、スイス人のパオロ・バッソ、そして日本からはイシダ・ヒロシの各氏でした。

14日付のワイン・スペクテータ・オンラインにいくつか状況が掲載されています。アメリカから参加して(多分)最終選考には入れなかったオーランドのレストラン「エメリル」のソムリエであるラリー・オブライエン氏の「語学が問題だった」という話の後に下記のように紹介しています。

まずはテーブル・サービスの審査で、客を演じたのは歌手のジャン-ピエール・フェルランとその妻。テーブルはフォア・グラから始まるコースだったが、ソムリエたちには意地悪な質問が浴びせられる。ソムリエが赤ワインを通常進めるべきところで「タンニンにアレルギーがある」と客が言う。それに対しては白ワインを薦めなければならない。候補者達は、例えばシャトー・パルメ1961年をデカンティングしながら、ディナーの内容を紹介し、そしてどうしてそのワインなのか、何をやっているところなのかを説明しなければならない。テーブル・サービスの審査のあとはブラインド・テイスティング。ここでは3種類のワインと2種類のスピリッツは何かを言い当て、それらを表現しなければならない。最後にはワインリストにあるミス―ブドウ品種、ヴィンテージなど―を指摘するという審査が続いた。どの候補者もブラインド・テイスティングについては1種類は正しく指摘したが、4種類は間違った。

ベランジェール氏は、ワインリストは簡単にパスしたが、テーブル・サービスでルールを間違った。ドイツ人審査員がくだけた英語で指摘した。イシダ氏のテーブルはエレガントであった。しかしフランス語でのプレゼンテーションは、強いアクセントのために部屋にいる大部分の人間は彼が何を話したか理解できなかった。またリストのミスを適切に指摘できなかった。バッソ氏は完璧であった。しかし、より洗練されたスタイルで魅力で勝ったプシエール氏の頭上に栄冠が輝いた。

フランス人としては6番目にあたる今回の受賞を手にしたプシエール氏に対して、750名のゲストはスタンディング・オヴェーションで拍手喝采した。

ということのようです。(H)

格付けに「ACボルドー空港」?

なにやらわけのわからないタイトルです。デカンター・オンラインの10月15日号に載っておりました。要約してお伝えします。

ボルドー空港の敷地内にメルローとシャルドネが植えられたのは1997年です。年間300万人訪れる旅行者に対して「ワインの街」ということを強く印象付けるために行なわれました。

さてそれでこの畑、周囲の人々は「スーパー・クリュとして販売されるかも」と騒いでいたようですが、当のこの畑の面倒を見ているドメーヌ・ド・シュヴァリエのオリヴィエ・ベルナルド氏は、「ACボルドー」が得られないために2年目を迎えるこの年のブドウは捨てることにしたようです。「別に難しい話ではないと思う。単にACボルドーにしてくれ、と頼んでいるだけ。表層の20センチだけは輸入した砂利だけれども間違いなくボルドーの土壌で取れたブドウだ。いかがわしいワインを造るわけが無いのに、『空港』でもダメ、『ボルドー』でもだめ。『テーブルワイン』しか名乗ってはダメなんだ。だから捨てる事にしたのさ」というものです。

一方INAOのスポークスマンは、「ACを名乗るには狭すぎるのです。数えられるぐらいのブドウの列しかないのですから、ボルドーと名乗るにはちょっと無理です。ボルドーを名乗れないのですから『キュヴェ・スペシャル』ということをつけることも出来ません」と言っています。

実際には1200本のワインが生産されるようですが、それらはこの畑の関係者と空港関係者である商工会議所に配られるようです。商工会議所のある人は「ワインを売ることにはならないのだから、アペラシオンなど重要ではないでしょう」とのことです。

実はボルドーというのは、ワインもそうですが、より航空産業の街として有名なのです。スーパー・クリュというのは馴染みが無いですが、アメリカ語ではカルト・ワインとイタリアのヴィノ・ダ・タヴォラをごっちゃにした感じです。(H)

「トラピチェがシャンパンを生産する」

これもちょっと議論を呼びそうなタイトルですが、、、もともとNorthern Light Technologyが配信しているSouth American Business Information (SABI)のニュースの記事のタイトルがこうなっています。そうです、「シャンパン」はフランスで生産されなければなりませんが、トラピチェはアルゼンチンの生産者、どこで生産されるのか、果たして真実はいかに?

実はシャンパーニュ以外で生産されたスパークリングワインのことをシャンパンと呼んでいけないと思っているのはECとECに関係する国々と日本の専門家だけなのです。アメリカも南米もスパークリングワインのことはシャンパンと呼ぶのです。モエ・シャンドンのブラジル子会社でもスパークリングワインのことをシャンパンと呼びます。でトラピチェはどこで生産するのか?次のアドレスにアクセスしてご確認ください。http://library.northernlight.com/FB20001007160000022.html?cb=0&dx=1006&sc=0#doc

ワインの知識が少なからずある人にとって、こういうタイトルには驚きますね。(H)

キャンティからオーガニックワイン登場

日本にきたわけではないのですが、こだわりあるワインメーカーという事でご紹介します。20日付けのBloomberg.comから紹介します。

アメリカに初登場のキャンティからのオーガニックワインは、ルイジ・チェッキ&フィリが生産する「アルカーノ」キャンティ・コッリ・セネージです。95%がサンジョヴェーゼで5%がカナイオロの典型的なキャンティです。で、これがどう面白いかということなのですが、15日間のマセレーションのあと、8ヶ月間フランス産のバリックで熟成させます。ここまでは普通です。ボトリングは、リサイクルガラスで製造されたボトルを使い、そして海苔から作られたラベルを貼り付けます。

私にはちょっとひっかかる点があります。かつて勤務していた会社で、リサイクルの調査をしたことがありましたが、「リサイクル品は口には二度と入らない、口に入るような容器には使用しない」という事がお約束だったような記憶があります。いくら丁寧に洗浄しても一旦廃棄物としてのルートを経ているためです。ビールのビンは?と思われるかもしれませんが、ビール瓶は「リターナブル」といって、リサイクルではありません。ですが、私がこの調査を行なったのは、既に10年ぐらい前の話なので様子は違っているのかもしれません。あとヨーロッパでは違うコンセプトなのかもしれません。どなたかご存知のかたがおられましたら教えてください。

さて、元に戻って、、、どうもこのチェッキ・ファミリーはまじめな環境保護主義者のようで、1995年からオーガニックにしてきているようです。イタリアではオーガニックの認定を受けるためには、少なくとも3年間は畑で化学品は使用してはならず、第3者のチェックを受け、認定を受けなければなりません。ブルームバーグによれば、味わいは「バランスが良く、強烈なフルーツにあふれるとされる1997年、1998年のワインは、国内では好評だった」としています。

リサイクルはともかく、このオーガニックワインはどんなものでしょうか?私の記憶ではオーガニックといえば「うすい」ワインしかないのです。「これはすごいよ」というワインをご紹介ください。(H)

税金アップのナパ、ソノマ

ナパは相変わらずバブリーだそうですが、、、19日付のサン・フランシスコ・クロニクルを参考にしています。

ナパ、ソノマで一晩を過ごす場合には、税金が上がるかもしれません。日本語では宿泊税とでもいうのでしょうか。現地の住民のコストを上げることなく、旅行者へのサービス、インフラの改善を目指せるということでこの宿泊税率のアップが提案されたようです。現在9%ないし10.5%の税率を12%にしましょうというものです。

ナパとソノマでは、同じ提案をしているもののやり方が異なります。ナパでは、公園とか公共のスペースの改善目的の特別課税ということで、2/3の賛成票が必要だそうですが、ソノマでは目的税としないため1/2の賛成票でよいようです。

税金を上げる場合には必ず賛成者と反対者がいるのが常ですが、この記事には、「小ビジネス(つまりモーテルとかインとかのことでしょう)のオーナー達には影響がある」と少し紹介されているのみで、ほぼ賛成のトーンでかかれています。しかし、われわれ旅行者にしてみれば、明らかに反対です。「そちらが我々に」来て欲しいのであれば、そちらのコストで自らを身奇麗にしておくべきではないでしょうか?どうです皆さん?千客万来のバブリーな場所だからこそを税金を下げるべきではないでしょうか!

などと声高に言いたいところですが、旅行者というのは不特定多数で、かつ納税者と受益者との関係がマッチングしていないということで、無視されても仕方の無い存在なのですね。いつ来るかもわからず、ひょっとして永久に来ないかもしれない相手の話を聞いてくれるわけがない。よくよく考えれば自分たちのために旅行者に金をもっと出してもらうための処置です。(H)

 

女性が活躍のオーストラリア

ワインというのは、かつては男性のビジネスでした・・・かつては全てそうでしたと言い直すべきでしょう。アメリカではヘレン・ターリー、ハイジ・バレットなどと著名ワインコンサルタントが登場してきていますが、オーストラリアでもそうなのです。以前もお伝えしましたが、ヤフーのフィナンシャル・ニュースが19日に伝えた内容を参考にお送りします。

さる10月18日にGoodTaste誌が行なった20ドル以下のワインコンテストでは、セペルト・オリジナル・スパークリング・シラーズのワインメーカーであるケート・グッドマンとナタリー・フライヤーがベスト・スパークリング賞を受賞しました。さらにベスト・バジェット賞にはウィン・クーナワラ・エステート・シラーズのスーザン・ホダー、そしてアフォーダブル・ホワイト賞にはウォルフ・ブラス・ゴールドラベル・リースリングのウェンディ・スタッキーが受賞しました。主催者によれば500ものワインが審査されたようです。

どのワインも私には馴染みのあるワインなのですが、これらのワインは女性のワインメーカーの手によるものとは知りませんでした。女性の活躍が目覚しいワイン業界です。このニュースで紹介されていますが、ワインメーカー連合のサットン氏によれば、ワインメーカーというのは「国際的な雇用の機会でもあるし、男性もそうですが女性にとっても非常に魅力のある職業の機会です。また他の職業と違って、大学を卒業して数年でいろいろなことを切り盛りできるようになる。そして能力があると認められればフランス、スペイン、カリフォルニアでも仕事があるんですから」とのこと。

フライング・ワインメーカーという言葉が使われだしたのは、オーストラリアからです。北半球の冬には、南半球は夏でブドウ畑は大忙しですが、半年後には南半球は休眠期。そのときにオーストラリアのワインメーカー達は、フランス南部、スペインに飛んで、最先端の畑、ワイナリーでの技術を指導したのです。この言葉が使われだして久しいですが、いつのまにか世界を飛び回る著名なワインコンサルタントのことを指す常識的な言葉になりましたね。(H)

パンターズ・コーナー・シラーズ

オーストラリアといえば、9月3日付けのトピックで、パンターズコーナー・シラーズがジミーワトソン賞のトロフィーを受賞したことをお伝えしましたが、このワインを取り扱っている輸入業者の方からメールをいただきました。残念ながら受賞年のものはまだないようですが、興味がある方は飲んでみてください(http://www03.u-page.so-net.ne.jp/xf6/vai_2/vai_061.html#Anchor118114)。実は私はまだ試していません。(N)

ついに来た殺し屋(ピアース病)

つい最近のワイン・スペクテータの特集がピアース病でした。いよいよカリフォルニアワインも危ないぞという内容でした。既に情報が古いのであえて書きません。

さて18日付けのSacramento Bee、17日付けNapanews.comによりますと、ピアース病を媒介するガラス羽シャープシューターはついにチコで確認されました。ちょっと場所の位置関係をお話ししますと、ナパの70,80km東北東にサクラメントというアーモンドで有名な街があります。内陸です。そこから約150km北部にチコという小さな街があります。つまり、ロス・アンゼルスの南部のテメキューラから始まったピアース病はついにナパ、ソノマを越えた北部までその危機が及んできたということになります。

今回のガラス羽シャープシューターの発見は、以前ソノマであった一匹という単位ではなく、いくつかの場所で何匹かが見つかったというもので、確実に危機が広がってきた証拠として警戒を高めています。

場所的には、ナパ、ソノマの既に北部にあるということで、関係者の極めて大きな危機意識を高めているものの、すでに様々のフルーツ、野菜収穫のシーズンも終わりを迎えつつあるということで時期的にはまだ良かったという反応です。当局によれば、冬の間にできる限り、卵と成虫を探してその数を減らす努力を行なうようです。

そして南部カリフォルニアでは、「シャープシューター雨」があります。これはシャープシューターは一日に自重の5倍もの樹液を吸うのですが、その水分は蒸発してなくなるわけではなく、シャープシューターの排泄物として飛んでいる最中に放出します。そのことをシャープシューター雨と呼ぶようですが、どうも半端ではないようです。

2001年がどうもカリフォルニア・ワイン存亡のカギとなる年です。(H)

eVineyardとニフティとの提携

eVineyardは全米でも有数のインターネットワイン販売業者ですが、19日にニフティのShopUSA@niftyと提携を行なったと発表しました。

この記事自体は大した事はありません。なぜかといえば、インターネットがあってeVineyardにアクセスできて購入手続きさえできれば個人でできる話です。どうワインを運んでくるか、つまり物流をどう行なうかが問題なのですが、この提携ではShopUSA@niftyを通じて購入するワインは「個人輸入」として扱われるようにアレンジするということのようです。つまり、eVineyardの倉庫から日本の個人宛てにシッピングされるようです。

注文がまとまれば、ロットを仕立てる事が可能になるということです。うまくいけばeVineyardは販売量が増える、ニフティはポータルで儲かる、日本の顧客は輸送代は安くなる、国内業者のマージン分が無くなる、ということで三者とも得というビジネスモデルです。しかし、通関の処理、国内輸送などはどこかの業者と提携するのでしょうかね。個人でやる場合には何かと面倒ですのでアレンジする必要はあるでしょう。いずれにしても国内価格と競争できれば非常に面白いですね。(H)

モンダヴィの提携話

モンダヴィがオーストラリアのローズモントと提携したという話です。

50:50でジョイントベンチャーをつくって、新たな2種類のワインを販売するとの事です。両方ともスーパープレミアムワインで2000年からカリフォルニアで、2001年からオーストラリアで生産するそうです。モンダヴィ側はティム・モンダヴィが、ローズモント側はフィリップ・ショーが代表します。両者ともこれまでの製品ラインには全く影響を及ぼすことなく新たなワインをラインナップに加えます。さらに生産、購買、マーケティング、R&Dでも将来的に提携を模索します。ワインの品種はシラーズのようです。

Winpro、Wine Todayとヤフー・ファイナンスからでした。この記事にはいつリリースされるかは書かれていません。日本ではどの業者が扱うのでしょうね?(H)

解明されたワインの香りのもと

New Scientist が報じたとの事で、19日付Timesが紹介しています。要約してみます。

ボルドー大学のアレン・ベルトラン氏の研究によれば、メルローとカベルネ・ソーヴィニョンの香りの違いはたった一種類の要素の違いかもしれないとの事です。分析はボルドー在住の17人のワインテスター(テイスターではない)との協力で行なわれたもので、6種類のメルローと3種類のカベルネ・ソーヴィニョンのワインを使って行なわれました。テスターはそれぞれのワインが発するプラム、バラ、カラメル、コーヒーなどの12種類の香りの強さをチェックするという手法で行なわれました。

全てのケースでメルローの方がカラメル香りが強いという結果でした。そこでガス・クロマトグラフィーを使ってこの香りの成分を検査したところHDMFという物質であることが判明しました。

イギリスのワイン専門家のマイケル・シャスター氏によれば、「ワインの化学式を定義するのはたぶん不可能でしょう。ワインの魅力というのは、ワイン一つ一つが持っている微妙な味わいの個性にあるわけですから」とのこと。

なかなか面白い分析です。そして私はシャスター氏の意見には反対です。近い将来にはワインの分析など簡単にできる時が来るのだろうと思います。そしてワインなど人工的に造り出せるのでしょう。なにせ人間は既に人間の遺伝子の一つ一つを解明したのです。やろうと思えば天才人間を再生できるのです。たかだかその辺の液体など簡単ではないですか?猫も杓子も人工ロマネ・コンティを飲む・・・(H)

にせグランジの犯人つかまる

13日にワイン・プラネットがニュースとして載せています。要約します。

ヴィクトリア警察は、グランジの1990年、1991年ものの偽物を製造、販売したとして3人の人物を逮捕しました。どれぐらいの量が生産されたのかは明らかにしていません。

偽ワイン発見のいきさつは次のとおりです。オークションハウスのスチュワート・ラングトン氏が1998年にオークションに運ばれてきたワイン1ケースを見て奇妙に感じたのがきっかけです。「観たときに何かおかしいと思いました。そしてよく見てみるとキャップシールは奇妙だし、バーコードは間違っているし、裏ラベルに書いてあった『注ぐ"pour"』という字が『貧しい"poor"』になっていましたのでね」そして、その内の一本をサウス・コープに渡したところ、偽ワインに間違いないことが判明し警察に捜査を依頼したものです。

ラングトン氏は海外には結構な数が出回っているのではないかと心配しています。サウス・コープは公式なコメントは今のところ発表していません。

実は偽グランジの話は今年に入ってから2度目なのです。そのときもオークションで見つかり、容疑者は逮捕されました。1990年、1991年ものをお持ちの方はチェックしてみましょう。しかしそんな真似されやすいラベルなら、リオハのようにホログラフでも入れたらどうなんですかね?サウス・コープは、そういう消費者保護のための地道な努力をしているのでしょうか?私のHPのトピックでは取り上げませんが、最近の彼らは金の亡者的な話ばかりです。

そういえば、先日偽ワインについての話を書きますと書きましたが、もうちょっと時間をください。(H)

馬鹿な話

書こうかと思いましたが、あまりにばかばかしいのでやめました。すみません、こちらにアクセスしてください。http://biz.yahoo.com/prnews/001017/nj_wine_un.html

7千年前に神の創造物であったワインは、間違いなくただの人の手による製造物に成り下がってきている感じがします。「グローバルに展開するためにの戦略」などという議論の結果がこれなのでしょうか。ちょっとやりすぎのような気がします。(H)