Topics&Columns(2000年10月1日)

一日一日と秋が深まっています。収穫のたよりも見られますが、今のところボルドーもカリフォルニアも相当に良いということのようですね。今世紀最後を飾るヴィンテージになるのでしょうか。楽しみです。

ワインと健康

とくにワインというわけではありませんでしたが、関連した話題がいくつかありました。

まずは、フラヴォノイドの話。フラヴォノイドはフルーツとか豆とか、いろいろな食材に含まれている活性酸素を減らす物質として知られていますが、当然ワインの中にも含まれています。先週カリフォルニア大学バークレー校の研究者が発表した内容によりますと、「取りすぎは逆効果」とのことです。最近市販のフラヴォノイドの補助食品について述べたもので、純度の高いフラヴォノイドを取りすぎると、逆に発ガン性物質になってしまうとのことです。ただしフルーツだの一般の飲み物だので摂取する分には大丈夫とのことです。具体的な量に関しては特に発表はされていません。

デンマークの予防医学研究所が発表した内容によりますと、2万5千人あまりを対象にした研究の結果、ビールやスピリッツを摂取するよりも、ワインを摂取した方が死亡率が低くなるとのことです。これまでは、「適度な飲酒は全く飲まないか、飲みすぎるよりも良い」ということだったのですが、この研究では飲み物の種類を特定したものとして注目されます。この調査は事実確認的な調査で、どの物質が影響をするということに関しては述べていませんし、デンマーク人の調査が他の国の人々に当てはまるものかはわからないとしています。

いずれにしても過ぎたるは及ばざるが如しです。皆さんいつもがぶがぶと飲むのではなく、コントロールしながら飲みましょうね。朝帰りは精神衛生上もよくないと思います。←これ自分に言っています。(H)

 

ワイナリーの売却と買収

クリスチャン・ムエックスは先週も登場しましたが、シャトー・ペトリュスのオーナーです。次の4つのワイナリーを売却しました。Chateau de La Dauphine, Chateau Canon-de-Brem, Chateau La Croix-CanonそしてCanon-Moueixです。あまり知られていないワイナリーばかりですが、ムエックス自身、La Dauphineには金がかかると言っています。売却先はフランス最大手のスーパー、カルフールのオーナー一族です。カルフールと言えば、日本にも11月より第一号店を幕張にオープンします。間違いなく日本にもお目見えするワインということになるでしょう。

オーストラリアのマウントアダムと言えばご存知でしょうか。バロッサ・バレーの中のエデンバレーという結構奥まったところにあるワイナリーです。年間4万5千ケース程度の生産量のようですが、LVMHグループが買収することになりました。LVHMがもつケープ・メンテルを通じての買収だそうです。流通の確保が目的のようですが、生産量もほぼ倍増する計画のようです。マウントアダムは生産量のうち50%を輸出していますので、バロッサのブランドを手中にして生産量をふやせば必ずリターンがあると考えたのでしょう。LVMHというのはルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーの略です。

ワイン業界も大変な再編が進んでいます。(H)

ニュージーでピノ・ノワールを買う

ワインを買うというわけではなくて、ワイナリーを買うという話です。しかしこれは大会社が買う話ではなくて、あるワインのファンがそのワイナリーを買いました。ワイン・スペクテータ・オンラインから要約してお送りします。

「長年ファンだったけども、自分でこのワイナリーを持つことになるなんて夢のようです」というのは、先週(9月24日の週)ニュージーランド南島のオタゴにあるフェルトン・ロードを買収したイギリス人ナイジェル・グリーニング。「有り金全部使いました。それに30時間のフライトと4日間にわたった利権関係の整理などにもちょっとはかかりましたがね。えっ?もちろん興奮しきってますよ」

グリーニング氏は、イギリスに住んでいるが、オタゴは知らないわけではなく、1998年にクリエイティブ・ディレクターの仕事をやっていたときにあるプロジェクトでこの地を訪れたことがあった。そしてそのときにこの地場のピノ・ノワールの品質に驚いたのだ。それまで彼は25年間の間ブルゴーニュファンだった。それ以来自ら25エーカーの土地を購入して18のクローンを持ち込んでブドウ畑を運営していたのである。

今後は、現在のスタッフと畑をそのまま残し、年間、3ヶ月間はオタゴですごすことになるという。夢は自分の畑から単一畑のピノ・ノワールを生産することだ。

ワイン・スペクテータでは1988年のピノ・ノワールのレーティングは88点だそうです。NZでの現地価格は約30ドル、アメリカでは値段は70ドルという事で結構よい値段ですね。以前からNZのピノ・ノワールをもっと真剣に輸入してくれる業者がないかと待っているんですが・・・。(H)

ナパ・ブランドの新基準

「ナパ」の名をラベルに入れる際の新たな基準が出来ました。9月28日にカリフォルニア州知事のグレイ・デイヴィスがサインしました。それは「ナパという名をラベルに入れる際には、最低75%はナパ産のブドウを使用しなければならない」というものです。この法律は2001年から発効します。詳細はわかりませんが、この法律に違反した場合、ワイン生産の免許の停止ということになるそうです。(H)

 

LA(ロス・アンゼルス)がワイン産地に!

以前お伝えした話題がありましたが、LAでもブドウ畑と同じ場所でワイン生産ができるようになるようです。これまでは禁酒法の名残でワインが生産できる場所を限定すると言う意味で、ブドウ畑でのワイン生産は禁止されてきましたが、ようやく禁酒法のくびきから逃れられるということになったようです。アントローロープ、サンタ・モニカ・マウンテンなどの新たな産地が誕生しそうです。新たな法令では、年間5000ガロンか2万5千ボトルの生産が無条件で認められるようです。これ以上の生産は申請と公聴会が必要になります。

ただこの法令に対しては、ブドウ畑が広がるのを警戒する環境主義者などの反対にあったようです。巨大な装置を設置すると水質汚染や地盤沈下が起こるというものだったようです。これに対して、当局側は「あくまでブティック・ワイナリーを目指し、アントロープとかサンタモニカの産業にとっては非常に良いこと」という事で押し切ったようです。

LAといえば1700年前後から禁酒法が実施されるまでワイン産地だわけで、それ以来のワインの生産ということになります。いろいろな意味でちょっとエキサイティングですね。いかがですか一つ・・・ワイナリーを買うというのは。(H)

偽ワイン対策

日本ではあまり馴染みのない話題なのですが、偽ワインというのは(特集を組もうと言っていてなかなか出来ないですが)珍しくありません。単純なラベルのワインなどは高級なワインほど偽ワインが出回ることも多いのです。

昨年イギリスでは大量の偽リオハが処分されました。その数なんと百万本です。これらのワインはスペイン産ではあったようですが、リオハ産ではありませんでした。本日はその対策としてリオハ側が対策を考えたというものです。

ラベルの一部をホログラムするというものです。詳細はわかりませんが、リオハの地図を描いた部分だけがホログラムになって、薄暗い場所でもそれと認識できるようになるとのことです。あらたなシールは10月1日より導入されるそうです。

百万本という数を考えますと、その流通はどうなっているのでしょうかね?ボルドーですと中規模以上の一つのワイナリーで生産できる量ですが・・・しかしホログラムは真似されないのでしょうか?この偽ワイン業界も結構しぶといようですから。

来週は、カリフォルニアで偽ワインを始めた人物の話を紹介します。(H)

ワインガイド・オンライン

オズ・クラークといいますと、私の頭の中では10本の指の内に入るワインコメンテーターです。堅苦しさの無い容貌がいいのです。いろいろな本を出しています。ワールド・アトラス・オブ・ワイン、ニュー・クラシック・ワインなど。その彼のワインガイドが、オンラインになりました。私がひいきにしておりますワイン情報、ワイン評論のWine Todayの中に出来ました。英語は英語ですが、基本的な情報でしたらわざわざ高くて、分厚い本を買う必要もなくて非常に便利と申せましょう。アドレスは下記です。

http://www.winetoday.com/wineguide/wineguide_main.html

あとは、実はジャンシス・ロビンソンのThe Oxford Companion of Wineもオンラインになっています。Wine Proの中にあります。アドレスは下記です。

http://www.winepros.com.au/cda/encyclopedia/index

私はこのサイトなどは結構利用しております。本の内容と同一かどうかは知りませんが、なんといっても検索が出来るというのは大きなメリットですよ!(H)

 

ワイン・スペクテータが選ぶベストレストラン

9月30日号のワイン・スペクテータは、「ワインラバーのためのベストレストラン」の特集です。

真っ先に取り上げていますのがラス・ヴェガスのマンダレー・ベイ・ホテルの中にあるレストラン、オーリオールAureoleです。写真をお見せできないのが残念ですが、そこに出ている写真は「ワイン・タワー」で10m以上もあるワインのショーケース!と思いきや、ガラス張りのワインセラーなのです。レストランの中央部にあって、ダイニング・ルームを見下ろすのだとか。いやはやなんとも…という感じなのです。このオーリオールには3つのワインセラーがありますが、このセラーには約1000本が収納でき、最も最近のヴィンテージのワインなのだそうです。このレストランは、今年初めてワイン・スペクテータのグランド・アウォードを受賞しました。

ワイン・スペクテータはアメリカの雑誌ですので、アメリカからの参加者&受賞者が多いです。国内だけの受賞の方が、他国からの受賞者より多いのです。これは自薦が中心となりますので、このようになってしまうのは当然といえば当然でしょう。ちなみにフランスからのグランド・アウォード受賞は、Alaine Ducasse, Au Crocodile, Georges Blanc, La Tour d'Argent, Lucas Carton, Michel Rostang, Taillevent, Tan Dinh, Troigrosの9つのレストラン。日本はエノテカ・ピンキオリのみが受賞しています。グランド・アウォード以外では、タイユヴァン・ロブション、ニューヨーク・グリルが受賞しています。ピンキオリのワインリストは、確かに膨大なリストですよね。

オーリオールは行ってみたいですね。とりあえず見るだけ。カジノで儲かったらそこでディナーをするということで・・・(H)